インタビュー
» 2018年01月19日 23時00分 公開

Yahoo! JAPANやスタートトゥデイなどとの協業も:「Pinterest」のマーケティング活用、実は意外と進んでいるってご存じでした? (1/2)

おしゃれな人、アート志向の人が使う画像共有サービスとして知られる「Pinterest」。アーリーアダプターの間ではTwitterやFacebookの「次」を担うSNSかと注目されたこともあったが、その後のビジネス展開はどうなっているのか。

[鈴木朋子,ITmedia マーケティング]
画像 Pinterestのロゴ《クリックで拡大》

 「Pinterest」はお気に入りの写真や動画を自分が作成した「ボード」に「Pin」してコレクションできるWebサービスだ。2010年に米国でスタートし、2012年ごろに日本でも感度の高いアーリーアダプター層の間で大流行した。同年には楽天からの出資を受け、2013年には日本法人を設立して日本語版をスタートしている。

 当時FacebookやTwitterに続く「Next Big Thing」の候補の1つと注目されたPinterestだが、その後の動向をよく知らないという人も多いだろう。一方で、同じ画像共有型サービスとして比較されることも多いFacebook傘下の「Instagram」は、2017年に「インスタ映え」が流行語大賞に選ばれるなど大ブレークしている。それと比較してしまえば、Pinterestに動きが少ないように感じられるのは否めない。

画像 Pinterestのボード《クリックで拡大》

日本企業との協業が着々と実現

 しかし、実際にはPinterestは着実にユーザー層を広げ、サービスの内容も進化している。また、米国から欧州、そして日本を含むアジアへとグローバル展開も着々と進行中だ。Pinterestの全世界における月間アクティブユーザー(MAU)数は現在2億人以上に達しているが、そのうち米国外からのアカウント登録数は75%を占めるという。日本でも2017年には対前年比でユーザー数が3倍になっている。

 企業との協業も進んでいる。例えばYahoo! JAPANでは現在、Pinterestと親和性の高そうな「花嫁 髪形」や「ボブカット」などのキーワードを検索したとき、検索結果にPinterestのコンテンツを表示するようになった。また「関連トピックス」としてPinterestへのリンクを表示させるモジュールも既に実装している。

Yahoo Yahoo! JAPANで「花嫁 髪形」で検索した結果。画像の検索結果のようにPinterestの検索結果が表示される。

 ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイのファッションコーディネート共有サービス「WEAR(ウェア)」と連携した取り組みも実現した。WEARアカウントとPinterestのアカウントをOAuth認証認証でひも付けることにより、WEARアプリで「いいね!」を付けるとPinterstのボードにお気に入りのコーデ画像がPinされるというものだ。また、アイランドが運営する料理ブログポータルサイト「レシピブログ」とも、レシピブログの中から興味を持ったレシピをPinterestのボードにPinしてもらうというコラボキャンペーンを実施した。

 オフラインのビジネスとの連携も模索している。2017年11月には、北欧雑貨のFlying Tiger Copenhagenで販売しているグッズの使い方をPinterestで検索するというキャンペーンも実施した。同キャンペーンではFlying Tiger表参道店でワークショップを開催し、その成果を活用したオムニチャネルでのプロモーションも実現した。

FlyingTiger Flying Tiger Copenhagenとのワークショップの様子

 その他にも、ECや小売、モバイルアプリなどさまざまなブランドや、女性誌をはじめとするメディアとの協業も数多く行い、好評を博している。キャンペーンによっては、Pinterestからの送客が他のSNSの中で一番多いという声もあるという。

共同創業者イヴァン・シャープ氏に聞く

 プロモーションツールとして成果を着実に積み重ね、一定の存在感を示しつつあるPinterest。自社のサービスをどのように位置付け、どういう成長シナリオを描いているのか。共同創立者兼最高製品責任者であるイヴァン・シャープ氏に聞いた。

画像 イヴァン・シャープ氏

PinterestはSNSではない

――Instagramの大ブームに見られるように、どのSNSも画像などリッチコンテンツに注力するようになってきました。Pinterestは他社のサービスと、どのように差別化しているのでしょう。

シャープ氏 われわれはPinterestをSNSというよりも、ビジュアルで検索できる検索エンジンのようなものと捉えています。FacebookやInstagramよりもむしろ、Googleに近いサービスを提供するプラットフォームです。Pinterestユーザーのマインドセットは、“Discover & Do(何かを探して何かをやりたい)”です。Pinterestは、自分のやったことをシェアするという行動を求めません。むしろ、何かやりたいと計画を立てたりアイデアを練っていたりする中から素材を収集し、コンテンツが生まれています。つまり、コンテンツが行動に変わるポテンシャルを秘めているのです。

――行動につながりやすいという媒体特性は、広告主にとっては魅力的なのではないでしょうか。Pinterestのビジネスモデルについて教えてください。

シャープ氏 日本ではまだ始めていませんが、米国と英国では現在、ネイティブアドを提供しています。家具の会社が、新しいアパートに引っ越してすてきな部屋にしたいというマインドセットを持ったユーザーに広告を打ったり、食品会社が、クリスマスのレシピを探しているユーザーに対して食材の広告を出したりしています。先ほど、Pinterestは検索エンジンに近いと言いました。検索エンジンは何かやりたいと検討しているときに利用するものですから、表示される広告はそうしたマインドを邪魔するものではなく、むしろユーザーの助けになるべきものと考えています。

――友達が共有したコンテンツに挟まって脈絡なくフィードされてくる広告と、興味関心に沿った有益な情報として提供される広告では、ユーザーの心証は全然違いますね。Pinterestユーザーの属性は今どうなっていますか。

シャープ氏 米国では5人に1人が月間アクティブユーザーで、男性か女性かにかかわらず、高い頻度で使っていただいています。男女比を見ると、女性が少し多くなっていますが、米国では男性のユーザー数も増加しています。年齢層はミレニアム世代から40代がボリュームゾーンです。家をきれいにしたいなどの欲求はどの世代にもあるため、どの年齢層にもユースケースがあると感じています。

――グローバル展開を進める中で、国別の特性といったものは出てきているのでしょうか。

シャープ氏 当初は国によって差が出るのではないかと考えていましたが、実際にはDIYや食べもの、ビューティー、ウェディング、ファッション、トラベルなど、人気があるカテゴリーは全世界共通でした。Pinterestはビジュアルで検索してフィーリングでプランニングするようなカテゴリーと相性がいいということでしょう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading