そもそも、テクノロジーの進展によって、過去10〜15年ほどの間に人々の購買行動は実に多様化した。Webサイトにアクセスしたり、アプリを開いたり、SNSをチェックしたり、レビューサイトを閲覧したり。しかもデバイスは1人1台とは限らず、複数の端末を切り替えて使うのが当たり前になっている。
こうした状況において、企業がある人物のカスタマージャーニーを正しく把握するには、複数のチャネルに散在するファーストパーティデータをリアルタイムに収集・統合できる「顧客体験管理ツール」の活用が有効となる。そのデータをもとに、一人一人にパーソナライズされたメッセージを、アプリのプッシュ通知やLINE、メールなど、最適な手段とタイミングで届けることで、エンゲージメントを最大化できる。
Brazeは先に紹介したChatGPTの新機能に対応することで、ChatGPT内の消費者行動をブラックボックス化させない仕組み作りを強化する。
(1)ChatGPT内でのユーザー行動を、ファーストパーティデータとして取得できる。そのため、ChatGPTを経由しても見失うことなく、同一人物としてカスタマージャーニーの全体像を把握できる。
(2)ChatGPT向けアプリ内で、パーソナライズ体験を提供できる。例えば、過去の購入履歴に応じて回答内容を変える、新規とリピーターで回答を出し分けるなど。
(3)ChatGPT向けアプリでの行動に応じて、フォローアップ施策を自動化できる。例えば、カゴ落ちのリマインドなど。
【ChatGPT向けアプリ】7社がChatGPT内でアプリをテストしている。BrazeはChatGPT内から顧客行動と優先度に関するファーストパーティデータをシームレスに統合、収集できる仕組みを構築している(プレスリリースより)生成AIがデータを分析して次の打ち手を瞬時に決めてくれる世界は、これまでマーケティングを強化できていなかった中小企業にチャンスをもたらすのか。
マグヌソン氏は「どの企業にも等しくテクノロジーを提供しており、AI初心者のマーケターでもファーストパーティデータを活用した高精度なパーソナライズを実現できる」と強調。以下のように日本市場への挑戦の抱負を語った。
「2026年3月、Brazeは日本国内初となるデータセンターを東京にオープンする。これはわれわれの日本市場への強固なコミットメントを示すものだ。まだデータ活用が十分に進んでいないとお悩みのみなさんこそ、ぜひBrazeで顧客エンゲージメントを高めるための土台を築いてもらえたら」
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