誰も教えてくれなかった「Bing」のSEO対策 Googleとの違いを解説：SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説

この記事ではMicrosoftの検索エンジン「Bing」の概要と、今後のSEO対策のヒントとなる内容をお伝えします。

[谷川祐一，SEOタイムズ]

　「Google以外の検索エンジンについて知りたい」「Bingを使ってみたいけど、メリットがわからない」「BingのSEO対策について知りたい」――。今回は、Microsoftの検索エンジンであるBingについて、わかりやすく解説します。

Microsoftの検索エンジン「Bing」とは？

（画像提供：SEOタイムズ）

　BingはMicrosoftが提供する検索エンジンで、後述するように、Googleに次いで世界第2位のシェアを誇ります。

　Bingは単なるキーワード検索だけでなく、画像検索、動画検索、ニュース検索、地図検索など、多様な検索機能を搭載しているのが特徴です。Windows10以降のPCではブラウザのデフォルト検索エンジンとして設定されているため、今後もある程度の利用者数が見込めるでしょう。

Bingを使用する2つのメリット

　ユーザーがBingを使用する主なメリットは「AIチャット機能の利用」「検索によるポイント還元」です。

AIチャット機能の利用

　Bingのメリットの1つとして、AIチャットボットである「Copilot」を利用できることが挙げられます。Bingのブラウザ上で検索窓の右横のアイコンをクリックするか、「Copilot」タブを選択すると利用できます。検索エンジンとチャット機能を統合しており、高度な言語モデルであるGPT-4を採用している点が特徴です。

　Copilotはユーザーの質問に対して自然でスムーズな会話形式で回答してくれるだけでなく、さまざまなタスクをこなすことも可能です。例えば、以下のようなタスクを実行できます。

• 小論文の執筆
• 本の要約
• コードの生成
• 質問への回答

　CopilotはBingの検索結果の情報を参照できるため、最新の情報を踏まえた回答の生成が可能です。そのため、普通にChatGPTを利用するよりも、正確で信頼性の高い情報が得られます。

　また、Copilotはセキュリティ対策も万全です。不審なトピックに触れると会話を強制終了する仕組みが採用されており、安心して利用できます。

検索でポイントがたまる

　Bingには、サインインして検索するだけでポイントがたまる機能「Microsoft Rewards」があります。

　普段の検索をBingに変えるだけで、自然とポイントがたまっていきます。たまったポイントはAmazonギフト券や楽天ポイント、PayPayポイントなどさまざまな特典に交換可能です。Microsoft Edgeで検索したり、日々のクイズやクリックタスクをこなしたりすることでもポイントを獲得できます。

　2000ポイント程度貯めるとギフトカードとも交換できるので、「ポイ活」に使ってみるのもいいかもしれません。気になる方は、Microsoft Rewardsの公式サイト（外部リンク）から詳細をチェックしてみてください。

GoogleとBing　4つの違い

　GoogleとBingの違いとして、以下4つが挙げられます。

1. 検索アルゴリズム
2. SEO対策
3. 画像や動画の検索結果
4. シェア

　それぞれの詳細を見ていきましょう。

1. 検索アルゴリズム

　GoogleとBingはどちらもエンドユーザーに最適な検索結果を提供するために、独自のアルゴリズムを用いています。Bingの検索アルゴリズムは、主に以下の要素で検索順位を決定しています。

• 検索キーワードとページ内のコンテンツとの関連性
• コンテンツ内容の品質、Webサイト、ドメインに対する信頼性
• エンドユーザーの満足度やアクションを起こした頻度などユーザーエンゲージメント
• 情報が最新か、更新によって最新の情報になっているかどうか
• 検索しているエンドユーザーとの位置情報や距離
• エンドユーザーがページを開いてからページが表示されるまでの速度

　Googleの検索アルゴリズムは公表されていませんが、数百以上の要素から成り立っており、常にアップデートされています。GoogleとBingの検索アルゴリズムの違いを考慮したSEO対策を行うことで、両方の検索エンジンで上位表示を狙うことが可能です。

2. SEO対策

　GoogleとBingではSEO対策においても違いがあるといわれています。Googleで重要なのはコンテンツの内容と検索キーワードの一致率、被リンク、E-E-A-Tなどです。一方、Bingではタイトルとキーワードの一致率、ソーシャルシグナル、ページの読み込み速度などが重視されると考えられています。

項目	Google	Bing
キーワード	コンテンツの内容との一致率を重視	タイトルとの一致率を重視
被リンク	重要	あまり重要ではない
ドメインパワー	重要	あまり重要ではない
ページ読み込み速度	重要	重要
ソーシャルシグナル	あまり重要ではない	重要
モバイル対応	モバイルファースト	PCとモバイルどちらも重要

　上記の違いを踏まえると、Bingで上位表示を目指すには「キーワードをタイトルに含める」「ソーシャルメディアで拡散する」「ページの読み込み速度を改善する」などの対策が有効でしょう。

　もちろんコンテンツの質を高めることはどちらの検索エンジンでも重要です。エンドユーザーにとって有益で質の高いコンテンツを作成することに重点を置きつつ、それぞれの検索エンジンのアルゴリズムに合わせた対策を行うことが、SEOにおいて成功するポイントです。

3. 画像や動画の検索結果

　GoogleとBingは画像検索や動画検索の機能も備えており、それぞれ特徴が異なります。

　Googleの画像検索はGoogleレンズを使用しており、画像をアップロードまたは撮影するだけで被写体の詳細情報や類似画像を検索できます。一方、Bingでも画像を活用した検索が可能で、画像内の文字を自動でテキスト出力する機能も搭載しています。商品画像から名称や説明をテキスト化したいときに役立つでしょう。

　動画検索に関しては両者とも再生時間、アップロード期間、画質、字幕の有無などで絞り込み検索ができます。さらに、Bingでは動画のピクセルサイズや無料・有料の区別で絞り込むことも可能です。

　機能を使い分けることでより精度の高い動画検索を行えます。

4. シェア

　検索エンジンのシェアはGoogleが圧倒的ですが、Bingも徐々にシェアを拡大しています。「Search Engine Market Share Worldwide」（外部リンク／英語）によると、デスクトップPCにおいてBingは世界で約12％、日本では約17％のシェアです。モバイル端末においてはGoogleが9割以上のシェアを占めており、Bingは1％未満と低い水準にとどまっています。ちなみに日本のモバイルに限定すると、BingのシェアはGoogleとYahoo! Japanに次いで第3位になっています（数値はいずれも2024年12月のもの）。

デバイス	Google	Bing	Yahoo!JAPAN
デスクトップ（世界）	79.07％	11.94％	3％
デスクトップ（日本）	75.41％	17.05％	5.97％
モバイル（世界）	93.87％	0.84％	0.65％
モバイル（日本）	86.33％	0.84％	11.03％

　BingはGoogleに比べてシェアは低いものの、近年ではAIチャット機能の搭載などにより徐々に利用者を増やしています。今後の推移に注目しましょう。

Bingのシェア拡大にともなって意識したいSEO対策

　今後、Bingのシェアが拡大することで、GoogleだけでなくBingでもSEO対策が必要になると考えられます。これまではSEO対策と言えば基本的にGoogleを前提とした対策が主流でしたが、今後はBingのアルゴリズムも考慮する必要があるのです。

具体的には以下のような対策が必要と考えられます。

Bing独自のアルゴリズムへの対応

　前述した通り、BingはGoogleとは異なるアルゴリズムで順位を決定しています。そのため、Bingのアルゴリズムを理解した上で、キーワード戦略、コンテンツ作成などを見直すようにしましょう。

SNSも重視する

　BingはGoogleと比較して、ランキング要因としてソーシャルシグナルを重視している傾向にあります。そのため、ソーシャルメディアからの流入を増やす取り組みも重要です。

Microsoft Edgeへの対応

　BingはWebブラウザ「Microsoft Edge」においてデフォルトで設定されています。WindowsのPCでそのまま検索を行うユーザーが多く利用すると考えられるため、Microsoft Edgeで自サイトが適切に表示されるかチェックするようにしましょう。

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　この記事では、現在シェアが拡大しつつある検索エンジンのBingについて解説しました。

　Bingのシェア拡大は企業にとって新たな顧客獲得の機会です。Googleと比較してまだ利用者が少ないため、上位表示させやすい点もメリットです。Bingの特性を理解し、適切なSEO対策を行って、ビジネスの成長につなげましょう。

執筆者紹介

谷川祐一

たにがわ・ゆういち　GMOインターネット　ソリューションパートナー事業部　メディア運営チーム　シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者（シニアマネージャー）としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。

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