オウンドメディアの記事数の目安は? 算出方法や記事数を増やす際のポイントを解説SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説

「オウンドメディアの記事数はどのくらい必要なのかわからない」「記事数はSEOと関係あるのか知りたい」「記事を増やす際のポイントを知りたい」などの疑問に答えます。

» 2025年01月29日 07時00分 公開
[谷川祐一SEOタイムズ]

 オウンドメディアの記事数に目安はあるのか。記事数はSEOにどのような影響を及ぼすのか。記事を増やす際はどのような点に注意したらいいのか――。

 今回は、オウンドメディアの記事数についてお悩みのあなたに、上記のような項目をわかりやすく解説します。

オウンドメディアで必要な記事数の目安は? 算出方法を解説

(画像提供:SEOタイムズ)

 オウンドメディアを運営している方の中には「記事はどのくらい作ればいいの?」「自社のオウンドメディアの記事数は適切?」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 結論から言うと、オウンドメディアで必要な記事数に正解はありません。「100記事程度必要」「300記事は作らないと効果がない」など、ちまたにはさまざまな情報があふれていますが、全てのメディアサイトに共通する記事数の目安が決まっているわけではありません。

 仮に100記事作成したとしても、ユーザーにとって価値のない情報ばかりでは成果につながならいし、アクセス数も伸び悩むでしょう。反対に、わずか数記事でも成果につながるケースも存在します。

 記事数はあくまでも評価のための1つの要素で、最も重要なのはオウンドメディアの目的に合った記事を作成できているかどうかです。

 オウンドメディアの内容や規模によって、それぞれ適した記事数は異なります。記事数を増やせば効果があるという固定観念は捨てましょう。

必要な記事数の算出方法

 記事数に正解はないものの、CV(コンバージョン)の目標値とCVR(コンバージョン率)を設定して、そこから目標セッション数を導き出し、それを達成するために必要な記事数を算出すことはできます。

目標セッション数=CV数÷CVR

 例えばCVの目標が200、CVRを1%(0.01)と設定した場合、目標セッション数(訪問者数)は200÷0.01=1万となります。検索エンジンからの流入を想定する場合は、キーワードの検索ボリュームを参考に各記事の想定セッション数を割り出します。SNSからの流入を想定する場合は、過去のX(旧Twitter)やFacebookからの流入数を参考にします。

オウンドメディアの記事数とSEOの関係性

 記事数は多い方がSEOに良いかというと、一概にそうとは限りません。もちろん、記事数が増えることでWebサイト全体のページ数、コンテンツ量は増加します。その結果インデックスされる記事が増えたり、ユーザーの滞在時間が長くなったりと、SEOの面でいい影響が出る可能性はあります。

 ただし、記事数とSEO効果は単純な比例関係にはありません。記事数を増やせば、必ずしも検索順位が向上するわけではありません。ユーザーにとって価値のない記事は、検索エンジンにも低く評価されます。そのため質の低い記事で数を稼いだとしても、Webサイト全体の評価が下がってしまえば、かえってSEOに悪影響を与える可能性さえがあるのです。

SEOにおいては重要なのは「数」よりも「質」

 SEOで重要なのは、記事の「数」ではなく「質」です。SEOで成功するためには、質の高い記事をコンスタントに作成することが重要です。

 ユーザーの検索意図を満たし、役立つ情報を提供する記事は、検索エンジンにも高く評価されます。結果として、検索順位の向上、アクセス数の増加といったSEO効果が期待できます。やみくもに記事数を増やすのではなく、ユーザーニーズに応える記事を出すことを心がけましょう。

オウンドメディアで記事数を増やす際の注意点

 記事数は多いほどいいわけではありませんが、Googleからの評価を得るために定期的な更新は必須です。記事数を増やす際は、以下のポイントを意識しておきましょう。

  • 似た内容の記事を増やさない
  • 量より質を意識する
  • オウンドメディアのテーマからそれた記事を作らない
  • キーワード選定においては検索ボリューム以外も考慮する

似た内容の記事を増やさない

 オウンドメディアの記事を増やす際、似たような記事を量産してしまうことは避けなければなりません。記事を書く際は「1記事1キーワード」が基本になります。

 同じキーワード、似たキーワードがあると、記事の内容も似通ってしまい、「キーワードカニバリゼーション(キーワードの共食い)」が起こる可能性があります。その結果評価が分散してしまったり、コピーコンテンツと判断されて評価が下がってしまったり、悪い結果につながってしまいます。また、ユーザーが似たような記事を複数見つけることで、どの記事を読めばいいのかわからなくなり、不信感を持ってしまう可能性もあります。

 これらの問題を防ぐためには、記事を作成する前に、既に公開済みの記事の内容を確認するフローを作り、重複しないよう注意することが重要です。もし、似たようなテーマの記事を作成する必要がある場合は、それぞれの記事で異なる切り口や情報を提供し、記事の内容に差別化を図りましょう。例えば「SEO対策」というテーマで複数記事を作成する場合、以下のような書き分けができます。

  • 「SEO対策の基本」→初心者向けの情報を記載する記事
  • 「SEO対策のためのキーワード選定方法」→より具体的な内容にフォーカスした記事

量より質を意識する

 先ほども解説したように、記事は量より質が重要です。質の高い記事とは、ユーザーの検索意図を満たし、専門的で信頼できるオリジナルの情報を含めた記事です。

 先述したように、質が伴わない記事を大量に公開すると、検索エンジンから低評価を受け、検索順位が下がる可能性があります。また、ユーザーにとっても価値のない情報ばかりだと、Webサイトへの訪問意欲が低下し、結果的にユーザー離れにつながる可能性があります。具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • ユーザーの検索意図を調査し、ニーズに合った情報を提供する
  • 専門家による監修やファクトチェックを行い、情報の正確性を担保する
  • オリジナリティーのあるコンテンツを作成し、他サイトとの差別化を図る
  • 読みやすい文章構成、適切なキーワード選定を行う

 これらの点を意識することで、質の高い記事を作成し、SEO効果の向上、ユーザー獲得、ひいてはビジネスの成功につなげることができます。

オウンドメディアのテーマからそれた記事を作らない

 例えば、健康食品会社のオウンドメディアであれば、訪れるユーザーは「健康的な食生活」や「サプリメントの効果」といった情報を期待しているでしょう。ところが、オウンドメディアを長く運営していると、いつの間にかコンテンツの内容が当初のテーマから逸脱してしまうケースがあります。

 話の流れで何となく「旅行先でのストレス解消法」や「オフィスでの運動不足解消」といった話題が多くなり、気が付けば本来のテーマから外れた記事ばかり掲載してしまうのです。これは当然、読者の混乱を招き、ブランドイメージの一貫性を損なう可能性があります。そうなれば、単にユーザーが記事を読んでくれないだけでなく、メディアサイトそのものへの信頼を損なってしまうことにさえ、なりかねません。

 テーマから逸脱しないためには、定期的にコンテンツの内容を見直し、軌道修正することが重要です。効果測定ツールなどを活用し、アクセス数の低い記事や、読者の反応が薄い記事がないか、分析しましょう。もしテーマから外れた記事が既に掲載されている場合は、削除するか修正を検討する必要があります。

 常にペルソナを意識し、読者にとって本当に価値のある情報を提供し続けることが、オウンドメディアの成功につながります。

キーワード選定においては検索ボリューム以外も考慮する

 検索ボリュームとは、そのキーワードが月に何回検索されているかを示す数値です。キーワードを選ぶ際に、検索ボリュームは重要な指標です。しかし、検索ボリュームだけに注目するのは危険です。他の要素も考慮することで、より効果的なキーワード選定ができます。

 一般的に、検索ボリュームが多いキーワードは、より多くの人に見られる可能性が高いと考えられます。検索ボリュームが極端に少ないキーワードで記事を作っても、ほとんど誰にも見つけてもらえないでしょう。

 しかし、検索ボリュームが多いキーワードは競合も多く、上位表示が難しいという側面もあります。そのため、競合性やコンテンツとの関連性、ユーザーの検索意図など、検索ボリューム以外の要素も考慮してキーワードを決めるようにしましょう。

 例えば、検索ボリュームは少なくても競合性が低く、コンテンツとの関連性が高いキーワードであれば、上位表示を狙いやすくなります。また、ユーザーの検索意図を理解し、ニーズに合ったコンテンツを提供することで、高いコンバージョン率が期待できます。

執筆者紹介

谷川祐一

谷川祐一さん

たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(シニアマネージャー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。


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