Metaは最近のBluesky人気をけん制するためか、立て続けに機能アップデートを実施している。また、Threadsの成長アピールにも余念がない。
MetaはBlueskyの急浮上に対抗するため、Threadsに新機能を追加するだけでなく、PRチームを使ってBlueskyが今話題のプラットフォームであるというシナリオを否定するために動いているようだ。
Webメディア「Axios」(外部リンク/英語)が2024年11月26日(米国時間)にMetaの広報担当者であるアンディ・ストーン氏の談話として報じたところによると、Threadsは2024年11月に新たに3500万人の登録者を獲得した。また、ストーン氏は自身のThreadsアカウント(外部リンク/英語)で、月初めの2週間よりも15日から25日までの登録者数の方が多いと述べている。
つまり、Blueskyの人気が高まっていると見られる中でも、Threadsの登録者数は増加しているというのだ。ただし、「登録者数」と「アクティブユーザー数」の違いは重要であり、この文脈では後者の方がより重要な指標である点は指摘しておきたい。
例えば、Threadsは2023年7月に1億件の登録を達成し、登録者数の伸び率としては最速の記録を打ち立てた。しかし、アクティブユーザーが1億人に到達したのはその3カ月だった。このように、登録者数が必ずしも継続的な利用を示すわけではない。
また、Threadsのユーザー増加率からすると、1カ月で3500万件の登録増加は特に目立った進展には見えない。
Threadsは2024年10月末時点で月間アクティブユーザー数が2億7500万人に達したと報告している。7月時点では1億7500万人だったので1億人の増加だ。
つまり、Threadsのアクティブユーザー増加は毎月約3300万人という計算になる。見るべきは3500万件の登録数増加よりもこちらの方だ。
従って、Metaの示すデータが本当にThreadsの勢いが増していることを示しているかどうかはいささか疑問だ。それでも、Blueskyが注目される中でもThreadsへの登録が続いていることは事実である。
なお、現在Blueskyのアクティブユーザー数は2000万人に留まっており、Threadsのアクティブユーザー数には及ばない。また、いずれも2024年7月時点で5億7000万人の月間アクティブユーザーを報告しているXには遠く及ばない状況である。
しかし、勢いは重要だ。MetaがBlueskyへの関心の高まりと、それがThreadsの成長計画に及ぼす影響を少なからず警戒していることは明らかだ。
InstagramとThreadsの責任者であるアダム・モッセーリ氏も、Threadsにさまざまな機能が突然展開されたことについて質問され、自身のThreadsアカウント(外部リンク/英語)で次のように述べている。
確かに(Blueskyに対応するため)、すでに進行中だったいくつかの機能を前倒しでリリースした。また、バックテストを行わずに直接提供したものもいくつかあり、さらに新たな要素を追加した。
どのような人物が投稿を始め、その結果として新たなオーディエンスがどれだけ引き寄せられるか次第だが、Metaは、2000万人のユーザーを獲得したアプリが容易に4000万人、さらには1億人に到達する可能性があることを知っている。そのため、関心の高まりの速さに対して懸念を抱くのは当然のことだ。とはいえ、ThreadsにとってBlueskyは今のところ、自身の存在を脅かすほどの脅威ではない。
そして、私は今後もそうなるとは思っていない。Metaはこれまでさまざまなアプリに対して行ってきたように、Blueskyの機能を模倣し、その成長を阻止するだろうからだ。
それでも、MetaがBlueskyに関する話題をかき乱し、その勢いに水を差そうとこれほど熱心であることは興味深い。
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