データマーケティング支援のGlossomは、「スマートフォンでのメディアとコマースの利用に関する調査」を実施した。2019年から実施している同調査は、現状の動向とユーザーの意識変化を捉えることを目的としている。
グリー子会社でデータマーケティングを支援するGlossomは、全国の10代から70代の男女1442人を対象に、毎年恒例の「スマートフォンでのメディアとコマースの利用に関する調査」を実施した。同調査は、SNSやサーチエンジン、メディア、動画サービスの利用率や利用時間を性年代情報と掛け合わせ、現状の動向とスマートフォンユーザーの意識の変化を捉えることを目的としたもので、2019年より毎年実施している。
2023年に実施した前回調査では、情報収集における利用時間の頭打ち、それによるサービス間での可処分時間の奪い合いが起きている可能性について考察したが、2024年のスマートフォンの1日の平均利用時間の推移を見ると、初回から定点観測している「SNS」「サーチエンジン」「メディア」の3情報収集サービスの合計は、2023年と比較して伸びている。3サービスに「動画サブスク」「ライブ配信」を加えた5サービス合計でも同様だった。
しかし、サービスごとの内訳を見ると「SNS」以外の「サーチエンジン」「メディア」「動画サブスク」「ライブ配信」はいずれも平均利用時間が短くなっており、サービス間での可処分時間の奪い合いの傾向は続いていると考えられる。ただし、利用率(回答者のうち利用している人の割合)は5サービスとも伸びている。
2023年に利用者の1日平均の利用時間が66.3分だったSNSは、2024年には80.6分に増加。SNSの利用時間の増加を引っ張った年代は、男女ともに50代以下の層で、男性は30〜39歳を除く50代以下、女性は20〜29歳を除く50代以下で利用時間が大幅に増加した。
SNSを種類別で見ていくとInstagram、TikTok、Xは利用率、利用時間いずれも伸びており、特にTikTokは2023年に18.8%だった利用率が10ポイント上昇して29.7%になった。
動画サブスクでは、「TVer」が大幅に利用率を伸ばし、「Amazonプライムビデオ」と2強を形成している。「Netflix」「U-NEXT」「Hulu」「DAZN」も利用率を伸ばした。「Netflix」は調査開始以来初めて「ABEMA」の利用率を超えた。動画サブスクの中では提供を終了したサービスもあり、明暗が分かれた。
メディアライブ配信も、SNSで強いサービスであるYouTube、Instagram、TikTok、Xの利用率が大幅に増加している。ライブ配信の裾野の広がりはSNSの影響が大きいと考えられる。
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