Volkswagen of AmericaはGoogleと提携し、Googleの生成AI機能を専用アプリ「myVW」に導入した。新たなバーチャルアシスタント機能により、カーオーナーは車両情報やサービスにスムーズにアクセスできる。
Volkswagen of AmericaはGoogleと提携し、カーオーナーの体験向上のためにGoogle GeminiとVertexの生成AI機能を活用している。専用アプリ「myVW」に導入されたバーチャルアシスタント機能は現在、大型SUVの「My24アトラス」および「アトラスクロススポーツ」で利用できる。
Volkswagenの「myVW」アプリが、Googleの生成AIツールによって強化された。新機能は、現在My24アトラスおよびアトラス・クロススポーツの車両で利用可能だ。(画像はVolkswagen of Americaのプレスリリースより)
Volkswagenのアプリへの生成AI統合は全体的な顧客体験の向上に貢献し、ブランドロイヤルティーの向上やドライバーの行動を学ぶための手段を提供するだろう。
自動車メーカーが開発したアプリは今日のカーオーナーにとって必需品と言える。JD Powerによると、従来のガソリン車のオーナーのほぼ4分の3が、リモートスタート、車のロックやアンロック、診断問題の解決、ディーラーとのやり取りなどを行うために、OEMアプリを使用している。EV(電気自動車)のオーナーとなると、この割合は90%に上昇する。
Volkwagenの強化されたアプリでは、Google CloudのVertexやBigQueryなどのAIツールを使用して、オーナーマニュアル、よくある質問、ヘルプセンターの記事、Volkswagen 公式のYouTube動画、ステップバイステップのガイドなど、複数のデータソース用のGeminiモデルを作成する。アプリのインターフェースでは、タイヤの交換方法やダッシュボードのインジケーターライトに関することなど、簡単な質問ができる。また、アプリのマルチモーダル機能により、ユーザーはスマートフォンのカメラを車両のダッシュボードに向けるだけで、インジケーターライトに関する情報を取得できる。
Volkswagen Group of Americaの上級バイスプレジント(カスタマーエクスペリエンスおよびブランドマーケティング担当)であるレイチェル・ザルゼック氏はプレスリリースの中で「myVWモバイルアプリは、Volkswagenのオーナーに比類のない顧客サービスと卓越した価値を提供するという私たちの約束を実現するのに役立ちます」と述べている。「myVWアプリとバーチャルアシスタントは、さまざまな情報ポイントを1つの場所に効果的に集約し、オーナーにVolkswagenから価値のあるサポートを提供します」
生成AIへの関心と投資が高まる中、Googleはさまざまなブランドやエージェンシーとのコラボレーションを通じて新しいツールを統合している。2024年4月にはWPPと提携し、同社の生成AIツールとWPPの独自のマーケティング・広告関連データを組み合わせるパートナーシップを発表した。また、それ以前にもEstee Lauder Companiesとの関係を深め、生成AI搭載アプリの開発に関わっている。
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