ランサーズは、「生成AI業務活用実態」調査を実施し、結果を公表した。今後期待される活用領域などが見えてきた。
ランサーズは、クラウドソーシングプラットフォームの「ランサーズ」に登録している個人563人を対象に、「生成AI業務活用実態」をテーマにした調査を実施し、結果を公表した。現在、生成AIの活用で利用者が得ている効果に加え、今後期待される活用領域などが明らかとなった。
全調査対象のうち生成AIを業務で使用している人は全体の40.1%だった。今は使っていないものの使用を検討している人は22.2%であり、フリーランスの生成AI活用は今後も増加が見込まれる結果となった。
業務で最も活用している生成AIの領域を聞いたところ、「言語生成」が圧倒的に多く91.6%、「画像生成」の41.6%がそれに続いた。
業務カテゴリー別で最も多く生成AIを活用しているのは「ライティング・翻訳」の48.9%で、2位の「ビジネス・コーポレート」の26.9%を大きく上回った。また、その中で具体的な活用例として、「SEOコンテンツのタイトル・見出し抽出」「SNS運用のハッシュタグ選定」などが挙がった。
一方で、今後生成AIの活用を検討している業務カテゴリーでは、現在は5位にとどまっている「デザイン・Webデザイン」が40%のトップとなり、現在6位の「動画・写真・アニメーション」が32.8%で3位になっや。活用したい内容として「広告デザインのためのイラストレーション作成」「セミナーや研修会のチラシ作成」など、集客・PRに関連した使用目的が挙がった。クリエイティブ領域での活用の他に、データ・プログラミングといったシステム領域での需要が高まることも予想される結果となった。
生成AIを使用している人の中で、約8割が業務の時間短縮の効果を感じている。中でも1時間以上の時間短縮を感じている人は41.6%、1時間未満の人は37.2%となっており、生成AIの活用が業務効率化に寄与していることが分かった。生成AIの活用が「ストレス軽減・思考負荷軽減」「アウトプットの質の向上」といった効果につながったという回答もあった。
生成AIの活用が業務効率化や品質向上に寄与することが見えた一方、情報ソースや著作権確認の大切さ、表現の自然さや独自性が低下することへの懸念など、生成AI活用にはまだ課題が多いとしている。全体としてランサーズは、ユーザーに適切な判断や生成AI活用のスキル向上が求められると述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.