SHIBUYA109エンタテイメントとCCCMKホールディングスがZ世代の食に関する意識、価値観、行動の変化を調査しました。
SHIBUYA109エンタテイメントが運営するIMADA KITCHENと「Vポイント」のライフスタイルデータを基にマーケティングソリューション事業を展開するCCCMKホールディングスは「Z世代の食に関する意識調査」を実施しました。2024年3月に全国の女性で18〜24歳の学生を対象に定性調査とWeb調査を実施し、その結果を2021年に実施した同様の調査と比較、分析しています。
Z世代が自由に使える1カ月間の支出内訳を見ると、2021年調査と同様に食への関心の高さが現れる傾向にありました。今回調査において、Z世代が1カ月間に自由に使えるお金は平均4万5384円で、2021年調査の3万7046円を上回りました。そのうち食費は2021年と比べて約2割増加した1万3243円で、自由に使えるお金の約3割を食費に使っていることが分かりました。
食費の内訳を細かく見ると、生活のための食事である「普段の食」に費やす金額は7761円。2021年調査と比べて1685円増加しています。生活のための食事ではなく「カフェやお菓子など楽しむための食事」である「エンタメ食」も5482円と2021年調査から761円増加しています。食以外では「趣味・遊び」に関する支出が2021年比で約3割増の1万3317円に増加しており、コロナ禍で控えていた趣味や遊びの機会が大幅に増えたことに伴い外食の機会も増え、食費の支出額が増加していると考えられます。
食に対する価値観を聞いた設問では、「食事の際は価格を重視する」の増加率が最も高くなる一方で「高くてもおいしい食事なら、お金をかけてもよい」という回答も伸びています。Z世代は、節制、節約しながらも価値を見極めた支出をする傾向が顕著になりつつあるようです。
食に関する行動の変化に目を向けてみると、「友人との外食」や「推し活」に関する意識は、全ての項目で2021年の結果を大きく上回り、コロナ禍を経て意識や行動が「外向き」に大きくシフトしたことが表れる結果となりました。一方で、「焼きポンデ」「セブンパン」などが話題になるように、買ってきたものをアレンジして食べる志向も高まっています。
食に関連するトレンドを「今後やりたいか」「知っているか」の2軸で評価し、「4つの食トレンド」に分類して3年間の変化を示した結果が以下の図の通りです。
リアルトレンドゾーンは、2021年調査では自宅で楽しめるコンテンツ(「おうちカフェ」や「おうち居酒屋」など)が多くなっていましたが、2024年調査では食べ歩きや外食を伴うコンテンツ(購入のための行列が話題になっている「生ドーナツ」や夜遅くまで営業している「夜カフェ」など)が多くなっています。
見る専ゾーンは、コロナ禍による外出の難しさからか2021年時点では「ASMR」や「激辛を食べる」といった食べ物の動画を見ることで食のエンターテインメントを楽しむ傾向が顕著に出ていましたが、2024年は見る専ゾーンの母数が減少し、実際の体験として楽しめる食トレンドに積極的な人が増えつつあることが分かります。
ひそかに流行ゾーンやこれから流行ゾーンには、揺らしたりたたいたりしてプルプル感を楽しむ「猫プリン」や、推しの生誕を祝う「センイルケーキ」、推しのキャラクターの形を再現したりキャラクターにちなんだアイテムを載せたりして作る「キャラケーキ」などが登場しています。2021年に注目された「ヌン活(アフタヌーンティ活動)」や「台湾チキン」「韓国カフェ」よりも「オリジナリティーのある体験を伴う食コンテンツ」が多数を占める傾向となりました。
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