「ドコモ データクリーンルーム」を開始 ドコモとインテージのデータを活用した高度な顧客分析が可能にプライバシーに配慮したセキュアな環境で顧客分析

ドコモの顧客基盤とインテージが保有するデータの分析・商品化に関するノウハウを融合し、企業のマーケティングDX実現に貢献する。

» 2024年08月13日 12時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 NTTドコモ(以下、ドコモ)とインテージ、ドコモ・インサイトマーケティング(以下、DIM)の3社は2024年8月7日、企業がドコモおよびインテージが保有する各種データを活用して自身で顧客データを分析することが可能な「ドコモ データクリーンルーム」の提供を開始した。

あらためて、データクリーンルームとは?

 データクリーンルームとは、プライバシーに配慮したセキュアな環境で、企業が保有する顧客データの分析ができるクラウド環境のこと。DIMがサービスの提供元となる。

 各国・地域の法改正やWebブラウザ提供企業のプライバシーポリシー変更など、サードパーティーCookieの活用を規制する動きが高まっている。これに伴い、マーケターはWeb広告配信や効果測定が難しくなっている。一方で、LTV(顧客生涯価値)向上の観点から、自社データのみならず他社データも活用して顧客理解を深める必要性も高まっている。そうした中、データクリーンルームは個人情報を適切に保護しつつ他社データを活用して自社データの分析を進める手法の一つとして注目されている。

 ドコモ データクリーンルームのクライアント企業は、ドコモが保有する1億超のdポイントクラブ会員の属性情報や位置情報などの各種データ(以下、ドコモデータ)に加え、インテージおよびインテージ子会社が保有するSCI(全国消費者パネル調査)やスマホアプリ「買いログ(CODE)」などの各種データを活用し、自社の顧客データとドコモデータやインテージデータを掛け合わせて分析が可能。クライアントは顧客データを外部に提供する必要なく利用できる。また、ドコモデータやインテージデータは個人が特定できない形に加工された状態でDIMに提供されている。分析結果もあくまで統計情報に限られ、クライアントとDIMが保有するデータの中身は相互に確認できない仕組みになっており、プライバシーに配慮したセキュアな環境で分析が可能だ。

 同サービスの分析には、ドコモの独自AIエンジン「docomo Sense」を活用したプロファイリング情報や行動情報を利用できる。これにより、これまで自社データのみで行っていた購買行動を中心とした分析に加え、属性や興味関心、購買前の比較検討状況、同時購入した商品の情報などを掛け合わせた高度な顧客分析が可能になる。これにより、新製品開発や需要予測、キャンペーン企画などの幅広いマーケティング活動を実現する。

 今回のサービスと併せて、リサーチから分析、可視化、マーケティング施策の実行、最適化まで、トータルソリューションを実現するためのコンサルティングサービスも提供する。

ドコモ データクリーンルームの概要(画像提供:ドコモ・インサイトマーケティング)

 各社の役割は以下の通り。

  • ドコモ:dポイントクラブ会員の属性情報や位置情報などの各種データ(同意取得済みのものに限る)のDIMへの提供
  • インテージ:「SCI」や「買いログ(CODE)」などの消費者の購買行動分析に強みを持つ各種データ (お客さまから必要な同意を得られているものに限る)のDIMへの提供
  • DIM:本サービスを実現するための統合データ基盤の構築、本サービスの提供主体

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