「Threads」1周年 ポストXへの道のりは?ユーザー数は1億7500万人

Metaの短文SNS「Threads」が1周年を迎えた。ロケットスタートした当時から見れば成長は鈍化しているが、それでもユーザー数は1億7500万人を超えている。

» 2024年07月05日 21時21分 公開
[ITmedia マーケティング]

 2024年7月5日(米国時間)、Metaの「Threads」は立ち上げから1周年を迎えた。「P92」や「Barcelona」などの社内コードで呼ばれていたテスト期間を経て1年前に誕生したこのテキスト共有SNSは、イーロン・マスク氏が買収したX(当時はTwitter)のオルタナティブとして期待され、わずか数日で登録者数1億人を記録した。その後、成長スピードは鈍化したとはいえ、2024年4月に月間アクティブユーザーが1億5000万人を突破し、7月1日にMeta創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏は自身のアカウントで、Threadsの月間アクティブユーザー数が1億7500万を超えたことを報告した。

1周年記念企画続々 Xの背中は見えている?

Post by @zuck
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マーク・ザッカーバーグ氏は自身のアカウントで、Threadsの月間アクティブアカウント数が1億7500万を超えたことを報告

 Threads1周年を記念して、Metaはさまざまな企画を実施している。一つが、Threadsのアプリアイコンを好きなデザインに変更できる機能。7月3日から7日まで、毎日一つずつ新しいアイコンが公開されている。期間限定のアプリアイコンを見るにはまず自分のプロフィールを開き、画面上部に表示される誕生日ケーキのアイコンをタップする。次に、銀色の四角に「スクラッチ」と表示された画像をこすると新しいアイコンが現れ、好きなものを選んでタップすると、アプリアイコンとして設定できる(Androidの場合は新しいショートカットがホーム画面に追加される)。アイコンは期間中いつでも好きなときに変更可能で、7月12日まで表示される。

限定アイコンの一つは日本のイラストレーター山内庸資氏(@yamauchiyosuke)がデザインした(画像提供:Meta、以下同)

 この他、7月12日まで「Threads1周年」「スレッズ祝1周年」などのタグを付けて投稿すると、自分のプロフィールのアイコンにパーティハット(帽子)が付く。タグはグラデーションカラーで表示され、他の利用者が投稿をいいね!すると、紙吹雪のアニメーションも表示される。

「Threads1周年」などのタグを付けて投稿するとアイコンが帽子付きに

 史上最速で登録者1億人を達成した後のThreadsに「成長鈍化」「停滞」「出オチ」といった印象を抱く人は少なくない。しかし、1年間で1億7500万ユーザーに達したことは十分に驚異的だ。

 ライバルのXは自らのデイリーアクティブユーザー数を2億5000万、月間だと5億人以上が利用していると公言しているが、イーロン・マスクによる買収後、実際にはユーザー数を減らしているとする第三者機関の報告もある(関連記事:「やっぱりX(旧Twitter)のユーザーは減少中? 10万ユーザーの追跡データが示す公式発表との乖離」)。Threadsが現在もなお月に500万人の新しいアクティブユーザーを追加していることを考えれば、そう遠くないうちにXの背中が見えてくる可能性もある。

 米国では技術コミュニティーやジャーナリズム、エンターテインメント業界のキーパーソンがXを離れてThreadsに移行する動きも見られるという。日本では今もなおXが圧倒的な影響力を誇っており、有名人がThreadsに拠点を移したという話も聞かないが、ソーシャルメディアのトレンドは目まぐるしく変わるのが常であり、数年先にどうなっているかは誰にも分からない。

 Threadsのこれからについて、Metaはプレスリリースで以下のように述べている。

Threadsのプロダクト開発チームは、誰の発言にも価値があると考え、利用者が自分の考えやアイディアを気軽にシェアできる場所を作ることを目指しています。コミュニティからのフィードバックを取り入れながら、利用者がよりタイムリーに情報を発見できること、安心安全に会話を楽しめること、そしてクリエイターに価値を提供することを注力分野として、これまで様々な機能アップデートを重ねてきました。この1年間で、スポーツや読書、ファッションや写真など様々なコミュニティが生まれ、Threads上で会話を楽しんでいます。

今後もコミュニティからのフィードバックをもとに、Threadsの利用体験をさらに改善していくために注力していきます。

 重要なのは体験だ。良い体験を提供できれば既存ユーザーは使い続け、使い続ける人が増えれば、新たなユーザーも入ってくる。人が集まるところには広告媒体としての価値が生まれる。今はまだその段階ではないにしても、いずれマーケティングプラットフォームの一つとして、Threadsの意義を考える日も来るのではないだろうか。

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