フリーランスや専門会社への「外注」について、どのような業務の外注費が増加傾向にあるのかなど実態を調査しました。
ランサーズは2024年5月24日、「外注費の増減に関する実態調査」の調査結果を発表しました。フリーランスや専門会社、制作会社に業務代行や制作依頼といった外注経験があるビジネスパーソン700人を対象に実施した調査です。
調査では2023年3月から2024年2月までの約1年間(以下、直近1年間)における外注費の増減について調査対象者に尋ねています。その結果、43.3%が「変わらない」と回答。「大きく増えた」(8.2%)、「やや増えた」(33.4%)と合わせると、外注費が「変わらない」、もしくは「増えた」という回答が全体の8割を超えています。インボイス制度の施行やフリーランス新法の可決などにより、フリーランスへの依頼難易度が高まると懸念されましたが、調査の結果からは外注に対してそこまで後ろ向きではない世の中の風潮がうかがえます。
それでは、具体的にどのような業務が外注されたのでしょうか。直近1年間で「実際に外注した」「外注を検討した」カテゴリーを聞くと、「システム開発・AI活用」(30.1%)が最も多く、「Webサイト制作」(16.5%)、「デザイン制作」(11.6%)がそれに続きました。「システム開発・AI活用」は、生成AIの登場と利用拡大によって、チャットbot開発やAIモデル開発の依頼が増えたことから特に外注数が伸びたと考えられます。
実際に外注したカテゴリーの中でも新規で外注されたのは「Webサイト制作」(29.9%)が最多で、「事務・アシスタント」(24.3%)、「経営・戦略コンサルティング」(22.7%)が続きました。
外注費が増加傾向にあるカテゴリーでは「動画制作・写真撮影」(30.0%)がトップ。わずか0.2%の差で「営業・マーケティング」(29.8%)が続きました。次いで「事務・アシスタント」(27.1%)が多い結果です。
一方で直近1年間で外注費が減少傾向にあるカテゴリーを聞くと、「専門職代行」が13.4%と最多でした。「ライティング」(11.6%)、「営業・マーケティング」(9.6%)がそれに続きました。
「ライティング」の減少は、生成AIの利用が社会に定着したことで、これまで外注していたライティングの業務を生成AIで代替するようになっていることが大きな理由と考えられます。
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