広告クリエイティブ制作後の確認をAIが支援 サイバーエージェントが「極予測やりとりAI」を提供開始効果予測スコア確認も

広告主企業との確認作業を効率化。当日入稿・当日配信も可能になるという。

» 2024年03月19日 19時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 サイバーエージェントはインターネット広告事業において、AIを活用したクリエイティブ確認サポートシステム「極予測やりとりAI」を開発し、広告主企業向けに提供を開始した。これにより、広告クリエイティブの確認から入稿までの作業時間・工数を短縮する。また、システム上で「極予測AI」の効果予測スコア確認が可能となり、広告主のよりスムーズな承認可否・判断に役立つ。極予測AIは現在配信中で最も効果が出ている既存クリエイティブに対し新クリエイティブの効果予測値を競わせ、AIによる効果予測値が既存1位よりも上回った新クリエイティブのみを広告主に納品し、広告配信するものだ。

生成AI時代の到来で負荷の高まるクリエイティブ確認作業を簡単に

 生成AI技術が急速に進化し、インターネット広告においても生成AIによる広告クリエイティブの制作が始まっている。大量に生み出されるクリエイティブをこれまでのように人力のみで確認するのは負荷が高い。そこでサイバーエージェントは極予測やりとりAIの開発に至った。

特徴1. 最短当日で配信可能

 これまで広告クリエイティブ制作を開始してから入稿に至るまで、サイバーエージェントでは社内および自社と広告主企業間における確認作業に平均8営業日を要していた。極予測やりとりAIを導入することにより、最短1日での関係各所の確認作業および配信を実現する。

(出典:サイバーエージェントのプレスリリース)

特徴2. 極予測AIで算出された「効果スコア」により判断をスムーズに

 極予測AIでクリエイティブ制作時に判定された効果スコアを表示することにより、広告主企業の担当者は承認可否の判断がしやすくなった。なお、現状配信1位の広告よりも効果予測値の高い値のクリエイティブのみが納品対象となる。

特徴3. チャットツール連携

 クリエイティブに関わるやりとりがスムーズになるように「Slack」と連携。これによりSlack上でクリエイティブ確認と承認およびその後の入稿指示まで行うことが可能となった。

特徴4. レギュレーションの一元管理と専門チームによる事前チェック

 広告主企業ごとのレギュレーションを一元管理し、有人による事前確認を行った上で納品する。

 今後、2024年11月を目途に、入稿APIを活用した広告の自動入稿機能の実装を予定。広告主が承認したクリエイティブにテキストと計測に必要なパラメーターを自動発行し、入稿までを自動で行うことが可能になる(現状は配信前に有人での最終確認を実施)。これによりクリエイティブ進行から配信に要していた時間を最大限短縮させ、広告効果の改善に寄与することを目指す。

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