博報堂が企業の広報DX支援へ取材マッチングプラットフォーム 「Espresso Hub」β版の提供を開始企業とメディア双方の効率的・効果的な情報発信のために

「社会やメディアの視点を把握し、それを加味した広報活動を行いたい」企業と「独自の情報を伝えたい」「最適な取材先を迅速に見つけたい」メディアニーズに応える。

» 2024年03月13日 09時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 博報堂は、企業の広報とメディアの記者や番組制作者をオンラインでつなぐ取材マッチングプラットフォーム「Espresso Hub(エスプレッソ・ハブ)」β版の提供を開始した。

 生活者ニーズの多様化に伴い、製品・サービスを提供する企業でも事業の多角化が進んでいる。また、情報発信を担うメディアにおいても専門領域が細分化している。そのような状況で取材されたい企業と取材したいメディアのマッチングが難しくなっていることから、博報堂はグループが長年培ってきたPRに関する知見を生かすべく今回のサービス提供に至った。

 同プラットフォームには企業の広報担当者のための「広報用」と、記者や番組制作者のための「記者用」の2種類のアカウントページがあり、それぞれのニーズを踏まえた以下の機能を搭載している。

  • 広報用
    • 取材テーマを探す:記者や番組制作者などが今求めているテーマ・情報を公開。キーワードで検索することができ、情報を持つ企業の広報から記者に直接メッセージを送ることが可能
    • 記者を探す:記者・番組制作者などのデータベース。プロフィールや専門領域、担当する特集企画などが掲載され、広報から記者に直接取材情報を提案できる
    • 取材ネタを登録/提案:自社が提供できる情報や取材してほしいネタの詳細を登録し、メディアに広く取材の提案ができる。また特定のメディアに個別にアプローチをすることも可能
    • メディア特集/イベント&社会カレンダー:メディアの特集予定や各種イベント、社会カレンダーを掲載。社会視点での広報計画をサポートする
    • メンバーのアプローチ進捗を把握
  • 記者用
    • 取材ネタを募集:メディアが取材したいテーマ・内容を登録し、企業に広く情報を募集できる
    • 取材ネタを探す:各企業が自社の専門領域や提供できる情報、取材してほしいネタなどを紹介。キーワードで検索することができ、企業に直接取材を申し込むことができる
    • 広報を探す:企業の広報担当者のデータベース。メディアから直接コンタクトをとることが可能
    • 専門家を探す:企業所属の研究者や大学教員など多様な領域で活躍する専門家のデータベース。ニュースを紐解くためのコメントなどを依頼することができる
「Espresso Hub」広報用アカウントの例(画像提供:博報堂)

 記者・番組制作者用は無料で利用可能。広報用は基本プランが年間216万円(税抜、以下同)。スタンダードプランが無料(一部課金あり)。「記者検索」機能が使えるのは基本プランのみ。また、基本プランには「メディアアプローチ」機能360枠分(月30枠×12カ月)が自動付与されるが、スタンダードプランには自動付与されない(10枠8万円で購入可能)。なお、基本プランは2024年5月末日まではキャンペーン期間として無料で利用可能だ(6月1日以降は初月のみ無料)。

 従来、国内における取材マッチングサービスはスタートアップやSMB企業をメインターゲットとしたものが主流だった。しかし博報堂は、大手企業においてもメディアとの新規リレーション構築のノウハウやネットワークの社内蓄積、専門人材育成、属人的になりがちな広報活動やメディアリレーションのデータ化・見える化といったニーズは根強いと見ている。欧米ではオールインワン型のPRプラットフォームの活用による広報業務の生産性向上と価値創出、すなわち広報業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでおり、日本においてもこの領域で市場を開拓していきたい狙いがあるようだ。

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