「社会やメディアの視点を把握し、それを加味した広報活動を行いたい」企業と「独自の情報を伝えたい」「最適な取材先を迅速に見つけたい」メディアニーズに応える。
博報堂は、企業の広報とメディアの記者や番組制作者をオンラインでつなぐ取材マッチングプラットフォーム「Espresso Hub(エスプレッソ・ハブ)」β版の提供を開始した。
生活者ニーズの多様化に伴い、製品・サービスを提供する企業でも事業の多角化が進んでいる。また、情報発信を担うメディアにおいても専門領域が細分化している。そのような状況で取材されたい企業と取材したいメディアのマッチングが難しくなっていることから、博報堂はグループが長年培ってきたPRに関する知見を生かすべく今回のサービス提供に至った。
同プラットフォームには企業の広報担当者のための「広報用」と、記者や番組制作者のための「記者用」の2種類のアカウントページがあり、それぞれのニーズを踏まえた以下の機能を搭載している。
記者・番組制作者用は無料で利用可能。広報用は基本プランが年間216万円(税抜、以下同)。スタンダードプランが無料(一部課金あり)。「記者検索」機能が使えるのは基本プランのみ。また、基本プランには「メディアアプローチ」機能360枠分(月30枠×12カ月)が自動付与されるが、スタンダードプランには自動付与されない(10枠8万円で購入可能)。なお、基本プランは2024年5月末日まではキャンペーン期間として無料で利用可能だ(6月1日以降は初月のみ無料)。
従来、国内における取材マッチングサービスはスタートアップやSMB企業をメインターゲットとしたものが主流だった。しかし博報堂は、大手企業においてもメディアとの新規リレーション構築のノウハウやネットワークの社内蓄積、専門人材育成、属人的になりがちな広報活動やメディアリレーションのデータ化・見える化といったニーズは根強いと見ている。欧米ではオールインワン型のPRプラットフォームの活用による広報業務の生産性向上と価値創出、すなわち広報業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでおり、日本においてもこの領域で市場を開拓していきたい狙いがあるようだ。
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