IPG Mediabrands Japanが生活者のデジタルメディアの利用実態と意識を明らかにすることを目的に実施した調査の結果です。
IPG Mediabrands Japanは、生活者のデジタルメディアの利用実態と意識を明らかにすることを目的として「Media in Mind 2023 デジタルメディア調査」を実施しました。IPG Mediabrands JapanはInterpublic GroupのグローバルメディアグループであるIPG Mediabrandsの日本オフィスです。Media in Mind デジタルメディア調査は2005年から毎年実施している独自生活者調査で、生活者の「デジタルメディアの利用実態・意識」を明らかにすることを目的としています。
今回の調査対象者は関東および関西在住の15〜74歳のインターネットユーザー2400人。日常生活を「起きてすぐ」「通勤通学中」「自宅でくつろいでいるとき」「食事中」「寝る前」の5つの生活場面に分け、スキマ時間(日常における空き時間)で優先的に接触するメディアについて聞いています。調査の結果、日常のあらゆるスキマ時間において、若年層はデジタルのメディアに接触し、40代以上はテレビを優先して視聴していることが分かりました。
15〜19歳と20代、30代は一日を通して、デジタル中心の生活を送っています。「起きてすぐ」から「通勤通学中」ではリアルタイムの情報収集に適するX(Twitter)やニュースアプリ/サイトがよく利用され、「自宅でくつろいでいるとき」以降の生活場面では娯楽性の強いYouTubeが優先的に利用されています。なお、このSNSやYouTubeを優先的に利用する傾向は、20〜30代よりも15〜19歳の方が顕著です。
一方、40代以上の年代は、昼夜を問わずテレビを優先的に視聴しています。テレビを優先的に視聴する傾向は60代で顕著であり、特に「食事中」の場面では4割超がテレビを最優先で視聴しています。ただし40〜50代に関しては、「寝る前」にYouTubeをテレビと同じくらい優先的に視聴する傾向がありました。
15〜74歳全体で詳しく見ると、起きてすぐから通勤通学中は情報収集、帰宅後は娯楽を目的として、優先的に接触するメディアを使い分けている可能性があります。
具体的には、起きてすぐから通勤通学中はリアルタイムの情報収集に適するX(Twitter)やニュースアプリ/サイトが、自宅でくつろいでいるとき以降は娯楽性の強いYouTubeが、それぞれ優先的に利用されています。
また、テレビは終日にわたって利用されていますが、起きてすぐはテレビをタイムキーパー的に利用しつつニュース番組などを情報収集のために視聴し、帰宅後はバラエティやドラマなどを楽しむなど、一日の中で視聴の目的が変わっている可能性があります。
年代別にも詳しく見ると、特に15〜19歳と60代以上に特徴が見られました。前者は自宅でのスキマ時間においてSNS、特にTikTokを優先的に閲覧している点が特徴的です。また、通勤通学中の音楽/音声配信サービスの優先的な聴取が12%であり、全体(4%)と比べて高い傾向にあります。一方60代では、テレビの優先的な視聴が圧倒的に高い中、ニュースアプリ/サイトの閲覧が終日にわたって目立っています。また起きてすぐから通勤通学中において、ラジオ/radikoの聴取が高い傾向が見られます。
生活者は一日の流れの中で、目的に応じて優先的に接触するメディアを使い分けているようです。
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