ジェレミー・ヘルファンド氏がDisneyからAmazonへ移籍した。同氏はDisneyでHuluやDisney+などのストリーミング広告の構築に携わった経歴を持つ。
Amazonは「Prime Video」への広告導入の陣頭指揮を任せるため、Disney元幹部のジェレミー・ヘルファンド氏をバイスプレジデント兼広告責任者として迎え入れた。同氏はメディア界の巨人Amazonで新たに数十億ドル以上の収益を生み出すことが期待される事業部門の戦略を導く重要な役割を担うことになる。
Amazonはストリーミング時代の広告ビジネスを設計するノウハウに定評のあるメディアのベテランを引き抜いた。ヘルファンド氏は「Hulu」のサービス構築で重要な役割を果たし、その後その経験を「Disney+」や「ESPN」など、Disney帝国の他の事業部門に反映させた。LinkedInのページ(外部リンク/英語)によると、ヘルファンド氏は直近ではリニア、デジタルおよびストリーミングチャンネルにわたるDisneyのグローバル広告プラットフォーム戦略、製品、エンジニアリング、オペレーション、パートナーシップエコシステムを担当してきた。
ヘルファンド氏は、2024年1月29日に北米を含む市場に投入されるPrime Videoの広告に向けて進撃するという重大な使命を帯びる。Prime Videoは、2021年にNFLのゴールデンタイム番組「Thursday Night Football」の放映権を獲得するなど、ブランド広告費を集める番組を着実に増やしてきた。しかし、広告付きのストリーミングという選択肢を打ち出したプレーヤーの中では比較的後発であり、Netflix、Max、Disney+など、ストリーミングが利益を生むことを証明する必要に迫られているライバルたちの後塵を拝している。なお、Amazonは広告付きストリーミングブランドとして「Freevee」も所有している。
Prime Videoは有料サブスクリプションサービスとして人気の「Amazon Prime」の一機能であることから、幅広いリーチが期待できる。Amazonは当面、広告表示を控え目にすることを約束しており、ユーザーは月額2.99ドルを追加で支払えば広告を完全に排除できる。
Bloombergが引用したBank of Americaの予測(外部リンク/英語)によると、Prime Videoの広告拡大による売り上げは年間50億ドルに達する見込みだ。Amazonの広告部門は、広大なEコマースマーケットプレイスでより取引ポイントに近いところでキャンペーンを実施できることから、最も急成長している事業分野の一つになっているが、これがさらに強化されることになる。例えば、Amazonは2023年11月にNFL初のBlack Fridayゲームを開催し、注目の試合を超大型ショッピングホリデーとリンクさせた。
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