世界105カ国・地域で4702人のCEOが2024年の世界経済の見通しを示しました。
PwCジャパングループは2023年10月2日から11月10日にかけて世界105カ国・地域で4702人のCEOを対象に実施した「第27回世界CEO意識調査」の日本語版調査結果を発表しました。
今後12カ月間で世界の経済成長が回復すると考えるCEOの割合は前年の18%から38%へと倍増。一方で景気減速見通しは過去最悪だった前年の73%から45%へと大幅に後退しています。この背景には、インフレーションの変動性による目に見える影響を懸念するCEOの割合が前年調査の40%から24%に16ポイント低下したこと、マクロ経済の影響も31%から24%に7ポイント低下したことがあります。さらに世界各地で紛争が続いているにもかかわらず、地政学的な対立リスクによる自社への影響が中程度あるいは大きいと感じているCEOの割合も25%から18%へと7ポイント低下しています。
世界経済の見通しについて楽観的な見方をするCEOが増えている一方、生成AIに象徴される革新的テクノロジーや気候変動などのメガトレンドの影響を懸念するCEOも増えています。CEOの45%は、現在のやり方を続けた場合、自社のビジネスが10年後に存続できないと回答しており、その割合は2022年の39%から6ポイント増加しています。
しかし、生成AIの影響については、今後3年間で自社の価値創造、提供、獲得の方法を大きく変えると考えるCEOが70%に達しました。生成AIによる短期的な影響についても楽観的で、今後12カ月間、生成AIが自社の製品やサービスの質を向上させると考えるCEOは58%で、ほぼ半数(48%)はステークホルダーとの信頼構築を強化すると回答しています。自社の業績への影響についても、41%が売り上げに好影響を与えると考えています。
変革の起爆剤として、生成AIへの期待の高さがうかがえます。
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