TikTok、CTV、ゲーム Z世代の心をつかむ最適解は?――Forresterの2024年広告業界予測【後編】Marketing Dive

米国のB2Cマーケティング幹部の8割がZ世代とミレニアル世代を重要視している。彼らにリーチするためにトップブランドが狙う場所は。

» 2023年12月14日 07時00分 公開
[Chris KellyMarketing Dive]
Marketing Dive

 調査会社Forrester Research(以下、Forrester)が公開した 「CMO Pulse Survey」では、米国のB2Cマーケティング幹部の86%が、Z世代とミレニアル世代にリーチするためのより良い方法を見つけることが優先事項だと回答している。マーケターは、彼らが最も長い時間を過ごす“場所”で若い消費者の追跡を続けるだろう。

一流ブランドはゲームとTikTokでZ世代を追いかける

(編注:本稿は「『ディープフェイク』『ハルシネーション』の危機がリアルに――Forresterの2024年広告業界予測【前編】」の続きです)

 米国では多くの消費者にとって、ゲームが文化資本として急速に台頭している。それにもかかわらず、広告主はまだこのチャネルに投資していないことが調査で分かった。Forresterが引用した調査会社eMarketerのデータによると、広告主が米国のビデオゲーム広告に費やす費用はソーシャルメディア広告に費やす費用の6分の1だ。2023年の初めに発表された米国インタラクティブ広告協会(Interactive Advertising Bureau、以下IAB)の調査では、ビデオゲーム広告費は広告予算の5%未満でしかない。

 だが、2024年にこの状況は変わるかもしれない。2023年には、Microsoftが米国のビデオゲーム会社Activision Blizzardを買収したことが注目を集めた。さらに昨今、SonyによるTake-Two買収もうわさされている。

 「メディア大手によるゲーム会社への投資は、アドテクノロジーのバックボーンとゲーム内広告を成熟させ、アドフラウドやブランドセーフティーといった問題を改善する可能性がある。そのため、広告主を魅了するだろう。(中略)低いCPM(インプレッション単価)、識別とターゲティング可能なオーディエンス、ブランドセーフティーを味方につけたビデオゲーム広告を特殊な出稿先として見るのをやめて、メディアプランにこの魅力的なチャネルを加える余地を作るべきだ」と、報告書は伝えている

 Forresterは、消費者とブランドは従来のテレビからCTV(コネクテッドTV)に移行し続けると予測している。Z世代にリーチしようとする広告主は、CTVにとどまらずTikTokやゲームに移行するだろう。この若い層は、スクリーンタイムの17%しかテレビを見ておらず、その2倍以上をビデオゲームや非プレミアムビデオの視聴に費やしている。米国、英国、フランスの35歳以下のWebを利用する成人の多くがTikTokを「常時」利用しており、Netflixの2倍以上利用している。

 2024年には、テレビとCTVが消費者のエンターテインメント予算のシェアを「所有」することはなくなるだろう。Z世代にリーチしようとするなら「大きなスクリーン」以外にも目を向けるべきだ。

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