GroupMは、GoogleのWebブラウザ「Chrome」において2024年下半期に予定されているサードパーティーCookie廃止を見据え、Googleと共同で、プライバシーサンドボックスAPIを使用した業界初の準備プログラムを開始すると発表した。
Googleは2024年後半にWebブラウザ「Chrome」におけるサードパーティーCookie完全廃止を明言しており、その準備のために2024年第1四半期初めに約1%のユーザーをライバシーサンドボックスに移行し、対象者のサードパーテーィCookieを無効にするとしている。
こうした背景の下、WPP傘下で世界最大級のメディアエージェンシーであるGroupMはGoogleと提携し、ChromeにおいてプライバシーサンドボックスAPIを使用したポストCookie準備プログラムを世界中で開始すると発表した。
あらためて説明すると、プライバシーサンドボックスAPIは、ユーザーに付与されるサードパーティーCookieや他のトラッキングメカニズム(ユーザーの識別を可能にするブラウザやデバイスの特徴であるフィンガープリントなど)なしで、クロスサイトで使用できるようにするための一連のAPIを指す。現時点では完成されたソリューションではなく、大規模なテストはこれからという段階にある。
GroupMのプログラムにより、これまでサードパーティーCookie廃止に十分な準備をしてこなかった広告主にも、引き続きターゲティングと効果測定を可能にする道を開くことができる。
GroumMは参加するクライアントの具体名を公表していないが、まず米国、英国、ドイツ、インド、オーストラリアでテストを開始する予定で、日本でも準備ができ次第取り組む予定だ。
プログラムに参加するクライアントは、学習プログラムにアクセスし、自社の製品やオーディエンスを使用した実際の環境で、サードパーティーCookie廃止後の準備態勢を評価し、改善することが可能になる。
GroupMのグローバルCEOであるクリスチャン・ユール氏はこのプログラムについて「このコラボレーションはエキサイティングな前進であり、クライアントがこれまでの対策をテストし、必要に応じて新しいアプローチを開発できるようにするもの」とコメントしている。プログラムの主な特徴は以下の通りだ。
GroumMはGoogleやMeta、Amazonと最も多くの取引があるパートナーであり、Google広告への知見は広告業界の中でもトップクラスを誇る。プライバシーサンドボックスへの取り組み自体は他の広告会社も行っているが、Googleと連携したプライバシーサンドボックスの活用と広告への活用の大規模なテストはこれまでに類を見ないものであり、GroumMのクライアントはこのテストに優先的に参加することができる。
広告主のテストグループからのフィードバックは匿名化され、集約され、Googleのチームに直接フィードバックされ、プライバシーサンドボックスの今後の開発に影響を与えることになる。
Googleでプライバシーサンドボックス担当バイスプレジデントを務める務めるアンソニー・チャベス氏は次のようにコメントしている。
「このプログラムは、ポストCookie時代への移行に向けて業界を準備するための私たちの継続的な取り組みの重要なステップです。GroupMは、広告主がサードパーティーCookieの廃止に備えるための取り組みを支援するのに十分な体制を整えています。アドテクプロバイダーとともに、この取り組みは、GroupMのクライアントがプライバシーサンドボックスが提供する機能を統合する際のサポートとなります。この準備プログラムを通じて、GroupMとそのクライアントは、すべての人にとってよりプライベートなインターネットを実現するために重要な役割を果たすでしょう」
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