今週は、ムービーやナレーションまで全てを生成AIで制作したパルコの広告キャンペーンやオプトによる機械学習を用いた広告効果予測ツールの無料提供、アイレップによるマーケティング領域の常駐型コンサルティングサービスを紹介する。
デジタルマーケティングやCXに関する気になるニュースを最近のリリースからピックアップして紹介する。今週は、オプトとRe Data Scienceによる機械学習を用いた広告効果予測ツールの無料提供などのトピックスについて紹介する。
パルコは、画像生成AIを利用したファッション広告「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」を公開した。グラフィック、映像、ナレーション、音楽を生成AIで制作したものだ。同キャンペーンでは実在のモデルの起用や撮影ぜす、生成AIを活用して実際に撮影したかのような現実感とアート性、ファッション性を目指している。広告グラフィックは、人物や背景など全てを生成AIで制作。広告グラフィックと連動したムービーでは、ナレーションや音楽も生成AIで制作している。今回の取り組みでパルコは、米国ロサンゼルス在住の木之村美穂氏をクリエイティブディレクターとして起用した。デジタルクリエイターには、同じくロサンゼルスで活動するChristian Guernelli氏を起用している。今回のキャンペーンでは、アートやファッションをテーマとし、最先端の技術とトップクリエイターを交えた取り組みにより、それを実現していく考えだ。(2023年10月30日)
オプトは、データ分析や機械学習によるサービス開発を手掛けるRe Data Scienceと共同開発した広告効果予測ツール「OpenCTR Predictor」の提供を開始した。利用にかかる必要は無料だ。同ツールは、広告クリエイティブの制作時に広告代理店や広告主がCTRを事前に予測できるようにするもの。これによって複数のクリエイティブから効果的なものを選択できる。両社は同ツールを「マルチモーダル深層学習」技術を用いて開発した。これは複数のデータ種別を統合的に学習する深層学習の手法だ。広告画像情報、広告に含まれるテキスト情報、広告そのものの属性情報といった質の異なる複数種類のデータを入力し、それらを統合的に学習した上で、広告効果の予測結果を出力する。(2023年10月31日)
アイレップは、マーケティング領域における常駐型のコンサルティングサービスの提供を開始した。自社内の人材やデータを活用してデジタルマーケティングを推進したいという企業の声も高まっていることから、市場の変化に合わせた施策を実施できる人材を常駐という形で顧客企業に提供することで、マーケティング活動を包括的に支援する。顧客企業は常駐型の同サービスを活用することで社内の人材の層を強化し、専門家とのコミュニケーションをシンプルにすることで施策の実行スピードを高められる。アイレップは同サービスを「CRM」「B2Bマーケティング」「マーケティングソリューション導入」「リサーチ」「プロモーション管理/ディレクション」の5つの領域で提供する。顧客企業の施策を実行するための体制の構築、意思決定までのコミュニケーション、担当者に高い水準のナレッジを定着させる人材の育成などを進め、迅速なマーケティング活動を支援していく考えだ。(2023年11月1日)
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