コロナ禍のB2Bデジタルマーケティングにおける「企業間格差」と「経営と現場の温度差」について今日のリサーチ

アドビはB2B企業を対象に「アフターコロナに向けたデジタル戦略に関する調査」を実施しました。調査結果が示唆する3つのポイントについて紹介します。

» 2022年01月30日 14時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 日本のB2B企業におけるデジタルマーケティングの取り組みは世界に後れを取っているといわれてきました。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で「対面」の機会が減る中で、デジタルシフトは待ったなしとなりました。

 アドビが実施した「アフターコロナに向けたデジタル戦略に関する調査」によると、デジタルマーケティングに積極的なB2B企業とそうでないB2B企業では、コロナ禍が業績に与えた影響の度合いが異なるということです。調査を担当したアドビの山下宗稔氏(DX GTM・ソリューションコンサルティング本部 マネージャー)が2021年12月に記者向けの説明会で語った内容をまとめました。

アドビ調査が示唆する3つの重要ポイント

アドビの山下宗稔氏

 今回の調査は2021年の9月にB2B企業の経営層と営業管理職(500人)、マーケティング/CRM担当者(540人)を対象に実施したものです。B2Cと異なりB2Bマーケティングは取り組みが長期にわたります。また、大企業ほどリードタイムが長くなる傾向があります。B2Cによくある「10%オフのクーポンを送ったら集客がどれだけ増えたか」といった分かりやすさはありません。今回はより長期的な視点から、デジタルマーケティングソリューションの導入がコロナ禍の事業継続にどう貢献したか、導入によって何を目指すのかを尋ねています。

 山下氏は、調査結果が示唆するところを「デジタルマーケティングとコロナ禍での業績」「企業間のデジタル格差」「顧客エンゲージメントに対する認識」という3つのポイントから振り返りました。

ポイント1. デジタルマーケティング導入企業はコロナ禍のダメージが少ない

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