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» 2021年11月04日 12時00分 公開

三菱UFJ銀行が危機感をバネに進める「パーパスドリブン」のDX戦略の中身非対面アプローチの強化にMA活用

収益モデルの転換を急ぐ金融機関。三菱UFJ銀行がデジタルを軸にめざす顧客体験の変革とは。

[冨永裕子,ITmedia]

 三菱UFJフィナンシャルグループ(以降、MUFG)傘下の三菱UFJ銀行は、国内では約3400万人の個人顧客、約120万社の法人顧客を抱える。同行が2021年4月から進める中期経営計画計画では、3年後の目指す姿を「金融とデジタルの力で未来を切り拓くNo.1ビジネスパートナー」としている。そのため特に戦略的に取り組んでいる分野が「国内リテール領域のデジタル化」「グローバル戦略の再構築」「基盤・プロセス改革」、すなわちDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進だ。

 2021年10月に開催された「SAS Forum 2021」では三菱UFJ銀行の上場庸江氏が登壇し、「MUFGがめざす顧客体験の変革」と題した講演で、現在進めている取り組みを解説した。

顧客のデジタルシフトが促したコミュニケーションと体験の見直し

 三菱UFJ銀行がDXに注力する背景にあるのは、金融機関を取り巻く厳しい環境への危機感だ。世界的な金利低下でマイナス金利から脱却のめどが立たない。同行は80兆円以上の預金を個人顧客から預かる立場だが、これが収益を生む資産になっておらず、米中の金融機関と比べると劣後的な立場にある。

 さらに、顧客のデジタルシフトが進行中であるという事情もある。コロナ禍では顧客が直接の面談を避ける傾向が顕著になったが、過去5年間で見ても、インターネットバンキングの利用者数が倍増したのに対し、店舗での事務処理件数は半減している(図1)。

図1:過去5年間で進んだ顧客のデジタルシフト(出典:三菱UFJ銀行、以下同)

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