コネクテッドTV(CTV)の隠れた勝利者はゲームアプリCTV広告に「パフォーマンス」を

電波でなくインターネット経由でコンテンツを提供するコネクテッドTV(CTV)が注目されています。利用者の主目的はもちろん動画ストリーミングですが、他にも無視できないカテゴリーがあります。それが、ゲームです。

» 2021年05月25日 10時00分 公開

 コネクテッドテレビ(CTV)は、動画ストリーミングに関連付けて考えられることが多い傾向があります。それは、消費者がApple TVやRoku、Samsung Smart TV、Amazon Fire TV Stickなどを購入する理由が、多くの場合NetflixやDisney+、Huluなどが提供する動画ストリーミングコンテンツを視聴するためだからです。

CTV利用の主目的は動画ストリーミングだけど

 モバイルアプリ分析企業である42mattersのデータに基づき私が直近で行ったCTVアプリの調査でも、動画ストリーミングはCTVアプリ市場を支配する存在であるという結果を得ました。調査対象とした3つのCTVプラットフォーム(Amazon Fire TV、Apple TV、Roku)において、動画ストリーミングは利用可能なアプリケーション数としてはトップカテゴリーであり、評価の高い人気アプリを提供しています。

 しかし、CTVにはゲームアプリという強力なカテゴリーもあります。アプリデータを大量に分析した結果、ゲームアプリはAmazon Fire TVとApple TVにおいて2番目に数の多いカテゴリーであることが分かりました。2020年11月時点で、Amazon Fire TVで利用できる合計4744のアプリのうち797(16.8%)がゲームアプリでした。Apple TVではその数はさらに多く、合計1万6241のアプリのうちゲームアプリは3633(22.4%)でした。他のカテゴリー(スポーツ、音楽、ライフスタイルなど)のアプリはこれよりもはるかに少ないことが分かっています。

 Rokuが提供するゲームアプリは、全体のアプリ数のわずか2.4%でした(Rokuが展開している地域で利用可能なアプリの合計数は2万2858)。しかし、利用率が高いアプリに注目すると、ゲームは2番目に多いカテゴリーで、アプリ数の点では映画やテレビとほぼ同様に強力なユーザーの多い宗教関連アプリカテゴリーさえも大きくリードしています。

 人気という点からも面白い発見が得られました。上記で触れた3つのプラットフォームの他のアプリカテゴリーでは、多くのユーザーを引き付けている人気アプリはわずか少数であることが分かりました。その中で動画ストリーミングの次に高い人気を得ているのがゲームです。

CTVのゲームアプリに適した広告とは

 広告主は、CTVに多くの人気ゲームアプリが存在することを認識する必要があります。Rokuでは、全ゲームアプリのうち約70%が広告を表示しており、動画ストリーミングアプリの54.4%よりもはるかに多くなっています。

 もちろん、ゲームアプリにおける広告マーケティングは、動画ストリーミングアプリにおけるそれとは大きく異なります。動画コンテンツは人々がリラックスして楽しむものであるため、視聴者はコンテンツ内で配信される動画広告をより受け入れやすいという傾向があります。しかし、集中力とエンゲージメントが求められるゲーム内で動画広告を表示するのは、あまり効果的とは言えません。

 一方で、CTVはテレビ画面のサイズで表示されることから、これまでゲームコンテンツが利用されてきたモバイルアプリとは異なるメリットもあります。高品質な広告を配信することで明確な行動喚起につなげることもでき、プロダクトプレースメントを行うにも絶好の場となり得ます。

CTVを高いパフォーマンスを発揮するチャネルに

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