LINEのマーケティング活用最新事情 OMO(店頭×デジタル)、ミニアプリ、MaaS他「LINE BIZ DAY 2021」まとめ(1/2 ページ)

深い顧客理解の鍵はLINEの活用にあり。「LINE BIZ DAY 2021」で発表されたLINEの現状と新サービスの概要をまとめた。

» 2021年05月17日 10時00分 公開
[織茂洋介ITmedia マーケティング]

 LINEは2021年5月14日、企業のマーケティング担当者および代理店向けのオンラインイベント「LINE BIZ DAY 2021」を開催した。本稿ではLINEが企業向けに提供する広告・販促サービスの新着事情と、コミュニケーションアプリ「LINE」の8800万人のユーザー基盤を活用して顧客との関係を深める方法について、LINE執行役員の池端由基氏(広告・法人事業担当)のプレゼンテーションの内容を中心にまとめた。

LINEの8800万人のユーザー基盤をマーケティングに活用するには

LINE執行役員の池端由基氏

 キーノートに登壇した池端氏は冒頭、2021年3月に報じられたLINEの個人情報管理問題について触れ、同4月26日の総務省からの行政指導を受けて改善策を講じていること、同問題に関し不正アクセスや個人情報漏えいは確認されていないことなどをあらためて報告。エンドユーザーおよび企業の信頼回復に努めると約束した上で、2020年の振り返りと2021年の新たな取り組みについて話した。

 2021年3月時点におけるLINEのMAU(月間アクティブユーザー)は約8800万人。前年同期から400万人以上の増加している。法人企業の皆さんの活用も進んでおり、LINE公式アカウントは前年比121%となる27万アカウントにまで成長。業種も多岐にわたる。

LINE公式アカウントは前年比121%となる27万アカウントにまで成長

 LINE広告の利用は2万8000アカウント。成長率も前年比で約216%と非常に大きい。業種は獲得系中心だがブランド系にも広がってきている。

LINE広告のアカウント数も前年比約216%に成長

 2020年に立ち上げた3つのサービスも順調だ。1つ目がLINEで最も利用されているトークリストの最上部に1日1社限定配信で動画広告を配信できる「Talk Head View」。これは国内最大級のリーチを実現している広告商品であり、多種多様な業界で利用されている。あるラグジュアリーブランドにおけるブランドリフト調査では、広告非接者との比較でTalk Head View接触者の購入意向が340%になったという結果も出ている。

Talk Head View接触者の購入意向は非接触者の3倍以上

 2つ目が7月に開始した「LINEミニアプリ」。LINE上で予約、注文・決済、会員証などの機能を簡単に提供するもので、サービスの利用によって取得されたデータをLINEの中でマーケティング施策に利活用することもできる。

 3つ目が「LINEで応募」。2020年9月にLINEのさまざまな販促サービスを一つに統合してリブランディングし、2021年2月に本格提供を開始した。単純なデジタル販促ではなく、データを分析し状況に応じてクリエイティブを出し分けるという運用型の取り組みを実践する企業・ブランドも登場している。

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