オートメーション・エニウェア・ジャパン長橋明子氏が実現したい「カスタマーマーケティング」とはチャレンジするマーケター(1/2 ページ)

B2Bマーケター注目のイベント「Bigbeat LIVE」が2019年8月2日に開催される。そこに登壇する気鋭のマーケターへのインタビューをお届けする。

» 2019年07月29日 15時00分 公開
[野北瑞貴ビッグビート]

この連載について

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 ビッグビートの濱口 豊です。私は広告業界で30年、一貫してB2B企業(とりわけIT企業)のマーケティングを支援しています。外資系クライアントとのお付き合いの中、マーケティングの強力なパワーを間近で感じ、日本企業がこの機能をうまく使いこなせば日本の将来に大きなインパクトを与えることができるはずだと考えるようになりました。

 チャレンジするマーケターを応援し続けているビッグビートの根底にあるのは、「マーケティングが変われば経営が変わり、未来がよくなる」という思いです。

 この連載では、そんな「チャレンジするマーケター」たちのキャリアや考え方、生の姿を私とビッグビートのスタッフがご紹介し、マーケターの方々の悩みを解決するヒントや、楽しく仕事をするコツを感じて行動を変えるきっかけを見つけていただきます。


 今回は、オートメーション・エニウェア・ジャパン シニア・マネージャー カスタマーマーケティング長橋明子氏の元へ伺った。

オートメーション・エニウェア・ジャパンの長橋氏(右)と筆者(左)

大企業を辞めたのは「もっとお客さまの近くに行きたいから」

 未経験の新卒エンジニアとしてNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)に入社した長橋氏。文学部出身ではあったが、学生時代にIT系ベンチャーでアルバイトをしていた経験から、インターネットに関わる仕事がしたいと、その道を選んだ。

 約3年ごとのジョブローテーションがあるNTT Comでは、ネットワークエンジニア、アプリケーションサービスの技術企画、クラウドサービスのプロダクトマーケティングなど、さまざまな仕事を経験した。

 経営企画部に配属されたこともある。新規事業の事業計画をチェックして担当者と詰めていったり、幹部会議の資料作りを手伝ったり。幹部から落ちてきた話を事業部と一緒に形にしていくケースも数多くあった。

 そんな中、1年弱の産休・育休を取得することになった長橋氏。復帰後は短時間勤務を選択したが、周りの社員は早朝から深夜まで顔を付き合わせて働いている中で、自分が帰る前に完成させたはずの資料が、翌朝には手を加えられて全く違うものになっているということもあった。

 「全体の中でスタッフとして動く役割が大きかったので、仕方がないことは分かっているんですけど、そういう環境の中で子どもを産んで働き続けるのは、私にとってなかなかのチャレンジでしたね」(長橋氏)

 経営企画部での任期を終えた長橋氏は「次はできるだけ現場に近い成長領域に行きたい」という希望がかない、エンタープライズ向けのインフラをクラウドで提供するクラウドサービス部に配属となった。

 そこではグローバルマーケットに対するプロダクトマーケティングを担当した。「世界中に広がる現地法人のセールス担当者に武器を与えるような役割でした。私が担っていた役割は、主に2つ。Go-To-Market戦略のベースを作って、グローバル共通のマーケティングメッセージを展開することと、認知度を高めるためのアナリストリレーションです」(長橋氏)

 こうして約13年在籍したNTT Comを離れることを決意した長橋氏。「もう少しお客さまに近いところに行って、お客さまと向き合いながら新しいマーケットを作っていきたい。お客さまのお役に立てている実感が欲しかった」と当時を振り返る。

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