40歳から始めるスタートアップでの挑戦、ヤプリ島袋孝一氏がプロマーケターとして大切にしていることチャレンジするマーケター(1/2 ページ)

B2Bマーケター注目のイベント「Bigbeat LIVE」が2019年8月2日に開催される。そこに登壇する気鋭のマーケターへのインタビューをお届けする。

» 2019年07月22日 10時00分 公開
[野北瑞貴ビッグビート]

この連載について

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 ビッグビートの濱口 豊です。私は広告業界で30年、一貫してB2B企業(とりわけIT企業)のマーケティングを支援しています。外資系クライアントとのお付き合いの中、マーケティングの強力なパワーを間近で感じ、日本企業がこの機能をうまく使いこなせば日本の将来に大きなインパクトを与えることができるはずだと考えるようになりました。

 チャレンジするマーケターを応援し続けているビッグビートの根底にあるのは、「マーケティングが変われば経営が変わり、未来がよくなる」という思いです。

 この連載では、そんな「チャレンジするマーケター」たちのキャリアや考え方、生の姿を私とビッグビートのスタッフがご紹介し、マーケターの方々の悩みを解決するヒントや、楽しく仕事をするコツを感じて行動を変えるきっかけを見つけていただきます。


 今回は、モバイルアプリの開発・運用プラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」を提供するヤプリ コミュニケーション本部 コミュニティマネージャー/マーケティングスペシャリスト 島袋孝一氏の元へ伺った。

 大企業でソーシャルメディアマーケティングやオムニチャネルの実務を担当してきた島袋氏がマーケターとして次の挑戦の場にスタートアップを選んだのはなぜか。ビッグビート マーケティングチーム ディレクター 野北瑞貴が聞いた。

ヤプリの島袋孝一氏

パルコ、キリンをへてスタートアップへ

 島袋氏のキャリアのスタートは、2004年に新卒で入社したパルコだ。2012年頃までは、飲食店の衛生管理やテナントの売り上げ管理、テナントを誘致するための営業活動など、商業施設の運営にまつわることは何でもやっていたという。パルコでデジタルマーケティングの任に就いたのは、島袋氏が2009年に国内発売され始めたばかりのスマートフォンを持っており、そのガジェット・デジタル好きという感度を買われたのであった。

 デジタルマーケティングの面白さに引かれ、さらに専門性を高めたいと考えた島袋氏は、2016年にデジタルマーケティングの専門組織を有するキリンに転職した。キリンでは、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンを横断した顧客体験の設計を担当した。キリンのデジタルマーケティング部門は大企業ならではのプロが集まる大きな組織だ。パルコでデジタルマーケティング部門を一から立ち上げた島袋氏にとっては、ここで日々多くの刺激を受けたそうだが、なぜ2年半でキリンを去ることに決めたのだろうか。

 「僕自身のキャリアを考えたとき、会社の看板に依存することなく個人の看板で働ける環境に身を置きたいと思ったんです。スタートアップ企業のヤプリという会社で、どこまで自分が機能できるのか挑戦してみたかった」(島袋氏)

 ヤプリで担うのはB2Bマーケティングだ。昨今ではB2BでもB2Cの手法が効くのではないかという議論が生まれてはいるが、それでも勝手知ったる世界から飛び出す不安はなかったのだろうか。

 「広告宣伝などのイメージでパルコは完全なB2Cに思われがちですが、実はアパレルや飲食店などのテナントを抱える不動産会社の側面があるので、ある意味B2Bでもあるんです。キリンもそう。僕は生活者に向けたデジタルマーケティングをやっていましたが、実際、生活者の手に商品が渡る前には、コンビニや居酒屋などの企業さまが間に入るので、いわゆるB2B2Cなんですよね。そのため、現職の環境は、周囲の方が想像されるほど、これまでと大きなギャップはありませんでした」(島袋氏)

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