B2Bマーケター注目のイベント「Bigbeat LIVE」が2019年8月2日に開催される。そこに登壇する気鋭のマーケターへのインタビューをお届けする。
ビッグビートの濱口 豊です。私は広告業界で30年、一貫してB2B企業(とりわけIT企業)のマーケティングを支援しています。外資系クライアントとのお付き合いの中、マーケティングの強力なパワーを間近で感じ、日本企業がこの機能をうまく使いこなせば日本の将来に大きなインパクトを与えることができるはずだと考えるようになりました。
チャレンジするマーケターを応援し続けているビッグビートの根底にあるのは、「マーケティングが変われば経営が変わり、未来がよくなる」という思いです。
この連載では、そんな「チャレンジするマーケター」たちのキャリアや考え方、生の姿を私とビッグビートのスタッフがご紹介し、マーケターの方々の悩みを解決するヒントや、楽しく仕事をするコツを感じて行動を変えるきっかけを見つけていただきます。
今回登場するのは、エンワールド・ジャパン 入社後活躍支援チーム カスタマーサクセス スペシャリストの片山 旭氏。マーケティングがやりたくて転職したものの、上司も同僚もいない状況の中で奮闘し、自分の理想とするマーケティングの姿を見つけて実現するまでの道のりを、ビッグビート マーケティングチーム ディレクター 野北瑞貴が聞きました。
片山氏が所属するエンワールド・ジャパンは、求人情報メディアや人材紹介サービスを営むエン・ジャパンのグループ企業。もともとはウォールストリートアソシエイツという外資系の人材紹介企業で、そのDNAを引き継ぎ、現在もグローバル人材に強いという特徴がある。
片山氏が同社に転職したのは2017年9月のことだった。前職は携帯電話の販売代理店に勤務していたが、窓口担当から管理業務へシフトするなか、「競合店と差別化し、売り上げを大きく左右できる」というマーケティングの力に魅了され、転職を決意した。
ところが片山氏が入社してみると、マーケティング部には誰もいない状態だった。「もともと当社はリファーラル(この場合、エンワールドの既存ユーザーまたは顧客企業社員に、転職希望者を紹介してもらうこと)が強く、「知る人ぞ知るエージェント」としてブランドが確立されていたと思います。マーケティングがなくてもセールスが回せる状態だったので、コストがかかり結果の見えにくいマーケティングはあまり期待されていないというのが現実でした。しかし入社後間もなく、将来を見据えてマーケティングを強化していこうと会社が舵を切り始め、そのタイミングでマーケティング部を再スタートすることになりました」(片山氏)
とはいえ片山氏自身に、マーケティングの実務経験がほとんどなかった。人材紹介業についても明るくない。そこで、まず社内の人脈作りから始めることにした。
「主にセールス部門をターゲットに、何か接点のあった方を必ずランチに誘ってみることにしました。自分で『1年間ランチに誘い続ける』とKPIを決めて、実行していったんです。おかげで社内に人脈ができ、いろいろなことを学ぶことができました」(片山氏)
目標に向け、コツコツ努力できるのが片山氏の優れた素質だ。毎朝、始業時間前に社内のカフェで英語の勉強を続けていたところ、話しかけてくれる社員も増え、それをきっかけに英語を教えてもらったり、ランチに誘ったりして交流を深めたりしていった。
その一方、マーケティングの勉強も続けた。「本だけでは限界があるので、興味のあるイベントに片っ端から参加することにしたんです。その内容を社内の人に話して、壁打ち(正解を求めず、話を聞いてもらうこと)をさせてもらい、そこで得た知識を蓄積していきました」(片山氏)
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