企業が持つアイテムデータを活用し動的(ダイナミック)に配信するダイナミック広告が注目されています。本連載ではその最新トレンドを紹介します。
ダイナミック広告とは、インフィード広告や検索連動型広告に表示させる画像やテキストなどを、企業が持つアイテムデータを活用して動的(ダイナミック)に表示する広告です。広告の表示内容をユーザーごとにアイテム単位で出し分けることができるのが特徴です。
ダイナミック広告市場は年々拡大しております。スマートフォンからのアクセスが中心になっている現状を考えると、ユーザーに対していかにピンポイントで最適な広告を表示できるかが非常に重要なポイントになります。これをしっかり活用することは、広告戦略上とても重要になっています。
とはいえ、ダイナミック広告に対する理解はまだ十分に深まっているとはいえません。既にダイナミック広告を導入している企業であっても、一面的な使い方しかできていなかったり、成果をどうやって改善していけばいいか分からなかったりという悩みがあるようです。この連載ではそうした悩みを抱えるマーケターに向けて、ダイナミック広告を効果的に活用するためのヒントを提供できればと思います。
ダイナミック広告というと、Criteoに代表される動的リターゲティング広告をイメージする人も多いでしょう。これは自社のWebサイトを訪れたユーザーに対して、そこで閲覧したアイテムおよび関連アイテム見せて「背中を押す」ための広告です。
「認知」「検討」「獲得」といったマーケティングファネルでいえば「獲得」のプロセスで使われるのがこのダイナミックリターゲティング広告であり、これはこれでとても有用な施策といえます。しかし、刈り取り一辺倒では、配信対象はいずれ枯渇してしまう可能性があります。より視野を広げてフルファネルの視点でマーケティングを考えなければ、ビジネスを持続させることは難しくなってきます。
現在はリターゲティング広告以外にも、新規ユーザーの獲得ができるメニューや認知獲得のための広告メニューが登場するなど、ダイナミック広告を活用できる機会が拡大しています。ここではFacebookダイナミック広告を例に見てましょう。
まず、新規潜在客にリーチするために、Facebookではコンバージョンしたユーザーに近い属性に対して広告を配信することができます(プロスペクティング配信・ブロードターゲティング)。
さらに広くリーチを広げていくためには、ブランディングや認知獲得が必要です。メインビジュアルで画像や動画を活用してイメージ訴求し、クリック後は複数のアイテムを動的に表示し潜在顧客の拡大を行います(キャンバス広告)。
このようにダイナミック広告だけで、認知・ブランディングから新規ユーザー獲得・既存ユーザーへのリーチまで、フルファネルで実施できるメニューが提供されています。
これらのメニューを組み合わせて、ファネル全体の中でダイナミック広告をどのように活用し、ユーザーとどのようなコミュニケーションを取っていくか、最適な戦略を考える必要があります。
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