マーケティングオートメーション(MA)とは名ばかりの不完全なツールも少なくない背景には、日本企業のマーケティングの旧態依然とした体質があります。古いマーケティンはMAでどう変わるのでしょうか。
前回「無料ツールでも譲れない、マーケティングオートメーションに必要な6つの機能」において、マーケティングオートメーション(MA)の定義について紹介しました。
MAツールには高額なものも低額なものも無料のものもあるわけですが、いずれにおいても機能のばらつきがあまりにもあり過ぎるのが現状です。検討段階でユーザーがその差について判断つかないまま、ベンダーの巧みな営業トークにつられて決めてしまうといった例が後を絶ちません。少々説明が長くなっているのは、読者の皆さまが本質を見失わないでツールの選定をしていただきたいからに他なりません。
そして、MAツールに求められる機能を本当の意味で理解していれば、オープンソースのツールであろうとも十分に、ビジネスの成長に役立てることができます。
今回は、MAによって古いマーケティングがどう変わっていくのか、そのイメージを追ってみたいと思います。
多くの日本企業では、今なお古い慣習に乗っ取り、以下のようなマーケティング施策を遂行していると聞いております。まずは幾つか羅列してみます。
一斉配信システムなどを活用しながら、そのシステム内に貯蓄された既存のリードに対して、ステップメールや、定期メールを送信している企業がまだまだ多く存在します。もちろん、これはこれで習慣になっていれば間違いなく効果のある施策です。
ほとんどの営業会社が与えられたリストに対して、テレアポを続けています。この獲得率は業界によって差異はありますが、せいぜい1〜10%の間かと想定されます。電話を切りたい相手が「取りあえず資料を送っておいて」などと言うのを真に受けて資料を送付しても、問い合わせはめったにありません。フォローの電話を入れたところでまた「検討して後で連絡します」と突き放されるだけ。そうした不毛なやりとりは、今なお多くの営業マンが繰り広げているのです。
既存のリードに対して郵送でのDM配信を行っている人も多くいるかと思います。こちらも成約率は0.1〜1%と非常に厳しい数値であるともいわれています。そんな中で、誤差にすぎないような数値向上を目指し、デザインの改良などに試行錯誤が続けられています。
いまだに多くの企業で飛び込み営業を行っていると耳にします。たまたま意思決定者にすぐに会うことができれば効率が良い場合もありますが、そんなことはまれで、営業に掛かる負担と成約率の低さは否めません。
多くの企業では、このようなさまざまな非効率な手法も含め、マーケティング活動と称しています。もちろん、広義の意味でそれは必ずしも間違いではないのかもしれませんが、「マーケティングオートメーションでできること」のアイデアを少し付け加えるだけで、業務は劇的に進化します。上記業務にMAのTIPSを付加した参考例を見てみましょう。
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