消費者行動/心理を把握する2つの調査結果ネットショッピングの売り上げ、もっと伸びる(1/2 ページ)

マーケティング分野の動向/調査を掲載するサイトのeMarketerに、消費者動向に関するユニークなレポートが2つ挙がっている。

» 2014年03月05日 15時50分 公開
[岩崎史絵,ITmedia マーケティング]

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 消費者動向に関するユニークなレポートとは、2014年3月3日に掲載された“What’s the Upside to Shopping Cart Abandonment?”(「ショッピングカート廃棄に対する良い面とは?」)と、翌3月4日に掲載された“Shoppers Look for Quality―Not Deals”(「買い物客は価格ではなく品質重視」)

 まず、前者のショッピングカート廃棄について。ECサイト運営者を悩ますのが、ショッピングカートに品物を入れたものの、最後の購買に至らず買い物を“ほったらかし”にされること、いわゆる「ショッピングカートの廃棄問題」だ。

 ちなみにMarketLiveの調査によると、ショッピングカートの廃棄率は全体の3分の2ほどで、ここ数年ほとんど変化はない。ちなみに2013年第4四半期に至っては、前期70.0%の廃棄率に対し67.9%と、わずかながら向上している。ECサイト運営者が思うほど、カート廃棄率がきわめて高いというわけではない。

 では、なぜカート廃棄率を問題にするのか。

 最大の理由は、ECサイトの行動を「買い物」単位で見ていること。買い物セッションではなく、サイトに訪問してきた顧客単位で分析する(訪問者中心アプローチ:visitor-centric approach)プロセスを確立すれば、廃棄されたカートも大きな意味を持つようになる。実際、顧客は実際の買い物の前に何度もサイトを訪れるものだし、カートの中にある品物を見れば顧客の好みも把握できる。また、顧客の購買プロセスをたどることで、いつ買い物をするかという予測も可能になる。

 もし実際の店舗とECサイトを併用しているのならば、実店舗での購買行動とECサイトの購買行動を組み合わせて、カートに入っていた品物がどのチャネルで購入されたかを確認するのも有効だ。これにより、顧客ごとの購買プロセスを分析できる。

 さらに、カスタマーロイヤルティプログラムやメールマガジン経由でどれだけ売り上げがあったか、顧客ごとに見ていくのも良い。それでもオムニチャネルにおけるアトリビューションを把握するのは困難だが、カートの廃棄率にこだわるよりも、それを活用してより良いマーケティング施策につなげていくことがマーケターの本分だ。

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