Googleのエリック・シュミット会長の基調講演では、具体的な製品やサービスの発表はなかったが、来年には70ドルのスマートフォンが発売され、10年後には誰もがネットに接続できるようになるという未来が語られた。
米Googleのエリック・シュミット会長は2月28日(現地時間)、バルセロナで開催のMobile World Congress(MWC) 2012で基調講演を行った。新製品の発表などはなく、同社が目指す、誰もがネットに接続する未来のビジョンを語った。
同氏によると、モバイル端末と接続した“小さなロボット”で、会議に出席しながらコンサートに(仮想的に)行けるという。ビッグデータの利用で、政府は迅速に災害対策を立てられるようになり、医師はより正確に診断できるようになるとも語った。
現在は世界の50億人がWebに接続できていないが、向こう10年でこの状況は変わると同氏は言う。技術の進歩が現在のペースで進めば、通信速度は20倍になり、高機能スマートフォンが20ドル程度で購入できるようになるという。
こうした未来を実現するためには、世界の政府によるオンライン検閲が障害になっていると指摘した。Googleがサービスを提供している125カ国のうち、25カ国で何らかの形でブロックされているという。
Q&Aでは、「Androidはいつ携帯電話(フィーチャーフォン)に搭載されるのか」という質問に対し、来年には70ドルのAndroidスマートフォンが登場するので、フィーチャーフォンではなくスマートフォンを購入すればいいと答えた。
講演で広告について触れなかったことを指摘されると、「Googleの宣伝をするつもりはなかったが、今お許しをもらったので」と前置きし、「Googleの検索結果はもっと正確になる。ユーザーが(Googleによるユーザーデータの利用を)許可してくれれば、よりよい回答を提供できる」と語った。Googleの全収入の97〜98%は広告によるもので、モバイル広告が最も重要だとし、同社はモバイルでのターゲット広告の強化に取り組んでいると語った。
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