連載
» 2010年12月17日 12時10分 公開

メールマガジンは本当に必要なのかWebマーケティングを営業力に(2/2 ページ)

[渥美英紀(ウィット),Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

営業課題3:営業リストの精査――名刺交換後の分析

 C社は実際に私信メールを使った企業の1つだ。Webサイトをリニューアルした際に営業部門全体で協力体制を作り、セミナーへの集客を行う私信メールをクライアントに送った。すると、資金を投入したリスティング広告では1人集客するのに3万円以上のコストがかかったが、私信メールでは広告費を掛けずに同等の集客効果があった。

 さらに、私信メールによる成果の中身を詳しく見てみると、営業担当者ごとに反応率の差があった。その差は数値にして3倍程度。メールがうまい営業担当者とそっけない担当者がいたのだ。

 そこでC社の営業部長は、メール配信の頻度や内容を精査し、私信メールのレスポンスを分析した。反応率の高い営業担当者のメール内容を掘り下げ、レスポンス率の低い営業担当のメール内容を良いものに反映させた。

 一方、できる営業担当者には多くの返信が来るため、次第に手が足りなくなってくる。そこでメールを2回送り、その後返信がないものには私信メールをあきらめ、メルマガのみを送るようにした。営業の見込みが少ない企業に対しては、メルマガによる情報の一括提供でサポートするように割り切った。これにより優秀な営業担当はより、効率的な営業を展開できるようになった。

 C社の例からは「私信メールも管理や効果分析が必要」ということを学べる。メールマーケティングは仕事のできる個人に任せるのではなく、組織全体で設計する必要があるのだ。メルマガが真価を発揮するのは、個々の営業の力が及ばない領域だ。

 その上でメルマガと私信メールの「反応の分析」が重要になる。限られた時間で営業個人の能力を最大限に生かすには、非効率な部分を洗い出さなければならない。


 「メルマガは本当に必要なのか?」――。まずメルマガの存在意義を疑問に思うことで、メールマーケティングの本質が見えてくる。これは、自分たちの営業課題の解決に「メルマガが使えるのか」を問い直すことでもある。

 紹介したA、B、C社の例は、それぞれ自社の課題に対して真正面からメールを使っている。あらゆる業種や組織で実行できる事例ではないが、法人営業におけるメールマーケティングの核心をついた施策の一例であることに間違いはない。

 Webマーケティングの手法は技術や手法先行で進化している部分もあるため、本質的な経営課題や営業課題の解決につながるかは冷静に判断しなければならない。身近なWebマーケティングの手法を疑ってみてほしいのだ。自社の課題を解決するヒントがあり、そこには個人の仕事力を高める金脈が眠っているはずだ。

著者プロフィール:渥美英紀(あつみ ひでのり)

株式会社ウィット代表取締役。B2BのWebマーケティングに精通し、自身の実績や優良な法人営業サイトのノウハウをまとめた「ウェブ営業力」(翔泳社)を出版。Webマーケティング戦略の立案、Webサイト発注のためのRFP作成支援、web集客のプランニングなど上流工程のサービスをはじめ、Webサイト/コンテンツの制作、アクセスログ解析、システム開発などクライアントの課題解決に必要なパーツを各種提供している。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.