競合の中から選びたくなるデザインとは? 「無意識」を探って決めた「白鶴 まる辛口」の新パッケージ【連載】ニューロマーケティングで「1つ上」のCRM 第3回(1/2 ページ)

脳科学の知見を応用して顧客の本音を探る「ニューロマーケティング」。今回は白鶴酒造のパッケージデザイン評価における活用事例を紹介する。

» 2017年07月03日 07時00分 公開
[和田直之 シナジーマーケティング]

 脳科学の知識をマーケティングに応用して人の行動の理由を理解しようとするアプローチ「ニューロマーケティング」について解説する本連載。第3回となる今回は、創業から274年を迎える老舗酒造メーカーである白鶴酒造が定番商品「白鶴 まる辛口」で実施した、パッケージデザインの評価事例を紹介します。

ロングセラー商品のパッケージリニューアルをどうするか

 多くの消費者の嗜好が“所有する価値”から“体験する価値”へと変化する中、白鶴酒造では30年以上続くロングセラー商品「まる」の新たなファン作りを課題として抱えていました。そのため、顧客の受けるインパクトや好感度を定量的に理解し、今後のコミュニケーション戦略の仮説を構築する必要があったのです。

 現状のクリエイティブ施策の狙いはターゲットにハマっているのか、改善するなら具体的にどの部分か。これらを理解し、さらなるユーザー拡大、売り上げ拡大のためのコミュニケーション施策に役立てるため、同社はニューロ調査によるパッケージデザインの評価(選定とデザインノウハウの収集)を採用しました。脳波測定とアイトラッキングを実施した上でグループインタビューを行って消費者の生活実態と購入背景を知り、消費者理解をより深めるようにしたのです。

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