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» 2012年08月29日 07時58分 UPDATE

【連載】O2Oプロモーションの新たな潮流:第1回 オンライン×オフラインプロモーションの“キー”としてワークしはじめたNFC (1/2)

NFC(Near Field Communication)技術とソーシャルメディアを活用したプロモーションメソッド「リアルいいね!」プロモーションの具体的な事例を紹介しながら、O2O(オンライン・トゥ・オフライン)プロモーションの可能性を考える。

[後藤果奈,凸版印刷株式会社]

NFCが可能にする「リアルいいね!」プロモーション

 2012年はO2O (オンライン・トゥ・オフライン)プロモーションの元年といわれている。

 O2Oとは、オンライン(インターネットやスマートフォンアプリなど)からオフライン(店舗やイベントなど)へと生活者を促す施策のことである。このO2O領域の市場規模は約22兆円であるとされている。一方、Eコマースはここ数年にわたり成長を続けているが、まだ国内リテールマーケットの10%にも満たない規模である。

 O2Oという言葉こそ、ここ数年での盛り上がりを象徴するバズワードなのかもしれないが、考え方自体は決して新しいものではない。

 「ホームページ」立ち上げ全盛期から、企業や店舗、団体はずっと、オンラインの会員やインターネット閲覧者を店舗や実際のオフラインの消費行動につなげようとしてきたし、これらの取り組みにおける企業やポータルサイトの成功施策も少なくない。メールマーケティングやオンラインキャンペーンはEコマースのためだけにあったわけではなく、実店舗での来店促進や購買促進のためにも活用されてきた。

 ただ、2010年前後から変化が見られてきた。ソーシャルメディアの台頭である。

 TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアでの生活者同士のコミュニケーション量が飛躍的に伸びた。それを後押しするかたちで、スマートフォンの販売が活発になり、位置情報を利用したゲームも盛んになった。企業や店舗が、これらを活用したプロモーションを開始し、フラッシュマーケティングに代表される共同購入のようなスタイルも盛況になっていく。

 「ソーシャルメディア」×「フラッシュマーケティング」という手法が、まさにこの新しい領域の覇者となるかと思われたが、この手法を積極的に採用しようという企業は少なくなってきた。理由は何か。

 価格のみで勝負をかけていたものが、それだけではソーシャルメディアのシェアや発信の動機付けの提供価値として不十分であるということが答えかもしれない。昨今、ソーシャルメディア上で生活者が自分自身の考えや情報を共有し、そのソーシャルメディアの発信そのものが自分自身を映し出す鏡と感じる生活者も多くなってきている。自分や仲間の無味乾燥な「金銭的おトク」だけを追求していくことに対して、生活者は、ある種の違和感を抱いている証拠なのであろう。

 さて、O2O プロモーション自体にもう一度話を戻そう。

 O2Oが企業のプロモーション領域でここ最近注目されている1つの要因として挙げられるのが、スマートフォンのシェア拡大に後押しされるソーシャルメディア上でのあらゆる「量」の激増であろう。ユーザーや投稿の量だけでなく、その1人ひとりの滞在時間量も他を抜いて圧倒してきているソーシャルメディアをまったく関連付けないプロモーション企画など今や存在し得ないといっても過言ではない。

 現在、ソーシャルメディア上の生活者をオフラインに誘導するプロモーションには、多種多様な「メソッド(手法)」があり、各業界がさまざまな取り組みをしている。

 その数あるソーシャルメディア×オフラインの「メソッド」の1つとして、今、注目を集めているのが、NFCの活用である。NFC(Near Field Communication)とは、近距離無線通信の国際標準の1つである。NFCタグは、リストバンドやシールなどさまざまな形状に加工して利用できる。NFC搭載スマートフォンをNFCタグの読み込み、書き込み端末として利用できる(NFCの特徴など詳しくは第2回で紹介予定)。

 NFC×ソーシャルメディアを活用した新プロモーションメソッドが、当社凸版印刷が2011年11月に発売した「リアルいいね!」プロモーションである。

 「リアルいいね!」プロモーションでは、店頭やイベント会場などのリアルな現場とFacebookをワンタッチでつなぐ技術として、NFCを活用している。リアルな感動を、その感じた瞬間にFacebookに発信し、リアルタイムに友人へ感動を共有/伝播できる。

 Facebook上で企業や団体とつながっている生活者を店舗などのリアルな現場に誘導し、さらにFacebook上でのコミュニケーションを、オフラインでの「いいね!」アクションをトリガーに活性化し可視化する。

 O2Oの流れの後、もう一度オンラインで共有/伝播を図る「O2O2O(オンライン・トゥ・オフライン・トゥ・オンライン)」を実現したメソッドともいえるだろう。

 o2o01_01.png リアルいいね!プロモーションの流れ

 現在、「リアルいいね!」プロモーションは、新商品の発表イベント、店頭キャンペーン、写真展、音楽イベントなど多方面で活用されている。以下、4つの採用/活用事例を紹介する。

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