ジェイアール東日本企画は、推し活の実態と応援広告の浸透状況の把握を目的とした調査を実施した。
ジェイアール東日本企画のjeki応援広告事務局(Cheering AD)は、推し活の実態と応援広告の浸透状況を把握するため、全国規模で「推し活・応援広告調査2024」を実施した。
あらためて言うと、推し活とはアイドルやキャラクターなどの自分が応援している対象である「推し」を応援する活動のこと。3回目の実施となった今回の調査は、過去最大規模となる約2万5000人(15〜79歳の男女)を対象に行われた。
調査の結果、「好きで応援しているものがある」と回答した人は全体の53.3%。そのうち「推し」がいると答えた人は26.3%だった。推しがいる人の性年代別割合を見ると15〜29歳の女性で56.9%と最も高い。一方、60〜70代の女性でも約15%以上となり、幅広い世代に広がっていることが分かった。
実際に行ったことのある推し活の中で注目すべきは「推しの誕生日や記念日を祝う」が28%と、4人に1人以上の割合に上ること。推しの記念日を祝うことが、定番の推し活として浸透していることがうかがえる。
推しの記念日にかける費用は平均1.41万円。準備に1カ月以上の時間をかける人は45%を占めた。また、自分や家族の誕生日と比べても推しの記念日には特にお金と時間をかける傾向が強く、半年前から準備を始める人も20%に達している。
推しの記念日に行うことのベスト3は「SNSでの投稿」「市販のケーキを用意すること」「応援広告の企画・出資・見学」で、推しの誕生日や記念日にファンが広告主となって推しを祝う「応援広告」が、お祝いの手段として定着してきていることが分かった。
応援広告の認知率は、推しの有無に関わらず19.5%。推し活をしている人に限ると59%に達し、実際に見たことがある人も27%にのぼる。推し活実施者の認知度は昨年より14.7ポイント増加しており、推し活をする人の間で応援広告が広く知られるようになっている。都道府県別で最も認知度が高いのは東京で25.6%、応援広告の掲出数も最多だった。認知度が最低だったのは福井県。それでも12.7%と10人に1人が認知している結果となった。
応援広告の実施理由として最も多かったのは「ファン同士で盛り上がりたいから」。実施後、80%のファンが、ファン同士のつながりが深まったと感じている。広告を見に行ったきっかけとしては、SNSを見て移動した人が多く、約2割が新幹線や飛行機を利用して広告を見に行っている。応援広告を見に行くこと自体もが推し活の一部になっているようだ。
応援広告実施後、主催者・出資者の86.8%がイベント参加やCD購入などへの支出が増加し、89.1%が推しをさらに応援したくなったと感じている。また、応援広告を見た人の60%が応援対象者に興味を持ち、74%が推しをもっと応援したいと回答している。
日本における応援広告は複数人のファンが集まって資金を出し合うのが一般的だ。Cheering ADによれば、費用感は駅ポスターの掲出が3万〜9万円、街頭ビジョンが5万〜100万円。推し電車や飛行機ラッピングなど大規模な広告展開になると、数百万円規模になることもある。Cheering ADは応援広告のポテンシャル市場を約769億円と試算している。これは推し活市場規模(約8000億円)の約10%、屋外広告・交通広告費(約4338億円)の約18%に相当する。
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