日本の中堅・中小企業におけるAIの用途、上位に「マーケティングキャンペーンの最適化」などSalesforce「中堅・中小企業向けトレンドレポート」(第6版)

セールスフォース・ジャパンは、「中堅・中小企業向けトレンドレポート」(第6版)の日本語版を発表した。想定以上に中堅・中小企業はAIを活用していることが分かった。

» 2025年02月26日 19時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 セールスフォース・ジャパンは、「中堅・中小企業向けトレンドレポート」(第6版)の日本語版を公開。同レポートからは、自律型AIエージェントが急速に台頭する中で、中堅・中小企業が将来を見据えてAIを活用して成長を図ろうとする現状が見えてきた。

 レポートは日本からの200人を含む26カ国の中堅・中小企業のリーダー3350人を対象とした調査を基に作成された。全世界の中堅・中小企業のうち、75%が収益性や生産性、顧客体験の向上を理由に、AIを試験導入するか、正式導入していることが分かった。

AIを検討または使用している中堅・中小企業の割合(出典:セールスフォース・ジャパン「中堅・中小企業向けトレンドレポート」第6版)

日本の中堅・中小企業のAI用途トップ3に挙がったのは?

 日本における中堅・中小企業でのAIの利用用途のトップ3は「マーケティングキャンペーンの最適化」「マーケティング対象オーディエンスの予測」「キャンペーン分析の自動化・新しいコンテンツの作成」だった(以下の選択肢の中から複数回答)。

選択肢 回答
マーケティングキャンペーンの最適化(例:チャネル、コンテンツ、タイミング、頻度の最適化) 22%
マーケティング対象オーディエンスの予測(例:最もROIが高いターゲットオーディエンス/セグメントの予測) 21%
キャンペーン分析の自動化(例:マーケティング支出やターゲットオーディエンスの選定を導く自動生成のマーケティングインサイト) 19%
新しいコンテンツの生成(例:ビジュアルやテキストベースのコンテンツ生成) 19%
自然言語検索ツール(例:日常的な言葉で質問できる検索ツール) 18%
顧客にお勧め商品を自動的に提示する 16%
リードの優先順位付け(例:過去のデータをもとに優先すべきリードを予測) 16%
販売予測(予測分析)(例:結果が出る前のパイプライン予測) 15%
自動サービスチャットボット(例:ヘルプデスク関連のボット対応) 14%

 AIを導入した日本の中堅・中小企業の88%が、「収益が増加した」と回答。一方で、日本の中堅・中小企業のリーダーの39%が、AI活用において競争に取り残されることを懸念している。

 テクノロジーの選択肢が増え、機能も拡大するにつれ、自社の技術インフラの効率的な管理という課題が浮き彫りになっている。日本の中堅・中小企業リーダーの53%が「変化するテクノロジーに追いつくのに苦慮している」と回答。40%が「自社で使用しているテクノロジーを全て習得する時間はない」と答えた。また、45%がデータの質を向上させることで、収益が増えると考えていることが分かった。

 Salesforce Sales Cloudのセルフサービス&グロース製品担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのクリス・ビルマイアー氏は、「AIエージェントは、顧客へのアプローチとバックオフィス作業の両方に個別に対応することができ、中堅・中小企業は限られたリソースでより多くのことを実現できるようになる」とコメントしている。

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