年末商戦を間近に控え、Googleはオンラインショッピングプラットフォーム「Google ショッピング」をAIで大幅に強化する。
Googleは2024年10月15日(米国時間)、「Googleショッピング」を刷新し、今後数週間以内に全米で展開することを発表した。
Googleショッピングは、ユーザーがGoogle検索結果内で直接、数多くのオンラインショップの商品を探して比較できるサービスだ。ユーザーはここで商品を検索すると、オーガニックの検索結果や有料広告を含む商品のリストが表示される。表示された結果は価格やブランド、配送方法などの条件で絞り込むことができ、商品をクリックすると、その小売業者のWebサイトに移動して購入手続きを進められる。小売業者はGoogleマーチャントセンターのアカウントを作成し、商品情報をデータフィードで提供することで、幅広いユーザー層に商品をアピールできる。
Googleによれば、消費者は衣類のバーチャル試着や価格比較、Googleレンズを使って日常で見かけた商品の検索を行うために、Googleを1日に10億回以上利用している。Googleはこれまでもショッピングをより簡単にするためにAIを活用してきたが、今回はAIでゼロから再構築したGoogle ショッピングをリリースした。
新たなGoogleショッピングは、Googleのショッピンググラフ(商品に関する情報を収集、分析、整理するための巨大なデータベース。Google検索、Googleショッピング、GoogleレンズなどのGoogleのサービスを通じて収集されたデータを基に構築される)にある450億の商品リストをGoogleが開発した生成AI「Gemini」と組み合わせ、よりパーソナライズされたショッピング体験を実現する。
Googleショッピング担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるショーン・スコット氏は、ブログ(外部リンク/英語)で、新しくなったGoogleショッピングがどのように機能するかを説明している。
例えば検索窓に「シアトルで着るのに適した冬用メンズジャケット(Men’s winter jacket for Seattle)」という検索クエリを入力すると、この地の気候に最適なコートの特徴について概要と、検索者のニーズに合った製品の推奨、説明がAIによって提供される。この他、検討すべきジャケットの種類をより整理して表示できるカテゴリも表示され、さらに詳しく調べたい人向けに、関連する記事へのリンクも表示する。
検索結果にはダイナミックフィルターが表示され、特定のサイズが必要な場合や、今すぐ近くで買えるものが欲しい場合など、好みに合わせて絞り込むことができる。また、生成AIとARツールを活用したバーチャル試着機能も組み込まれている。
新しいGoogleショッピングのホームページには、ユーザーの好みに基づいて購入可能な商品や動画を紹介するパーソナライズされたフィードが用意されている。また、購入は一度で終わるとは限らないため、Googleはリードタイムが長期間にわたる可能性があることを想定し、前回中断したところからすぐに買い物を再開できる機能も提供している。
カスタマイズされた結果を更新したり、オフにしたりしたい場合は、メニュー画面に移動して、ページの下部にある「ショッピングの設定」で、簡単に管理できる。
新しいGoogleショッピングには、価格比較、価格分析、価格追跡などのお買い得品検索ツールだけでなく、ユーザーごとにパーソナライズされたお買い得品ページも追加された。
新しいツールは現時点では試験的なものであり、結果が必ずしも正確とは限らない。このため、AIが生成する概要には「この新しい実験的な機能は、常に正しいとは限らない」という注意書きが付けられている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.