春闘での賃上げや定額減税実施にもかかわらず、2024年の夏休みは円安や物価高の影響で消費者の財布のひもが固くなっているようです。
インテージは、全国の15歳から79歳の男女5000人を対象に、夏休みに関する調査を実施しました。調査期間は2024年6月27日〜7月1日。2024年の夏休み期間(7月13日〜9月30日)にかける予算の総額についてたずねたところ、平均5万8561円でした。2023年は6万146円で前年比1.2倍と大きく増加したものの、今回は微減となりました。
予算が増える理由は「物価高・円安だから」が26.9%で最多となりました。以下、「外出や人に会う機会が増えるから」(26.1%)、「旅行へ行くから」(25.3%)が続きました。一方、予算が減る理由も「物価高・円安だから」が51.5%で最も多く、「給料が増えないから」(35.2%)、「電気代・ガス代が上がるから」(33.1%)が続きました。
夏休みをどう過ごすか複数選択で予聞いたところ、最多は「自宅で過ごす」(36.9%)、次いで「国内旅行(宿泊あり)」(19.1%)、「ショッピングや食事など」(18.5%)となりました。2023年に前年比2.5倍と大きく増加した「海外旅行」は2.1%で横ばい。「国内旅行」も「宿泊あり」(19.1%)、「日帰り」(10.2%)と、いずれも前年並みとなりました。
海外旅行の予算は44万3058円で、前年から約7万円の減少(前年比86%)となりました。為替変動も加味すると前年比は実質75%ほどとなります。渡航先を見ると、ヨーロッパなど遠い国が減少し、円安影響が小さめで旅費が抑えられる近い国(アジア)が増加していました。
国内旅行(宿泊あり)の予算は10万2318円と前年から約2000円の増加(前年比102%)となりました。予算が増える理由は「宿泊料金が高くなっているから」が最多の37.7%、「物価高・円安だから」(29.6%)がそれに続きました。
一方、予算が減る理由も「物価高・円安だから」が最多で52.2%。「給料が増えないから」(39.1%)が続きました。
2024年は春闘での高水準の賃上げや定額減税が実施されたにもかかわらず、円安や物価高の影響を色濃く反映した地味な夏休みとなりそうです。
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