IBMのビジネス向けAIおよびデータプラットフォームである「watsonx」の機能を「WPP Open」に統合する。
WPPはIBMと共同で、ビジネス向けAIおよびデータプラットフォーム「IBM watsonx」を活用した新しいB2Bソリューション「WPP Open for B2B」の提供を開始すると発表した。WPP Open for B2Bは、WPPのインテリジェントマーケティングオペレーティングシステム「WPP Open」の一部となり、B2Bマーケターが購買プロセス全体において顧客や見込み客を特定し、エンゲージする方法を刷新できる。
WPP Openは、WPPが数十年にわたりクライアント企業にサービスを提供した経験を基に、あらゆるクライアント、パートナー、テクノロジーベンダーと統合して最適化・自動化されたマーケティング機能を構築できるよう設計されている。
B2Bマーケティングにおける購入グループは複数のステークホルダーで構成され、長い販売期間にわたって一貫したメッセージを届けることが難しい場合がある。そのため、従来は購入グループを購買に導くために、チャネルに合わせてメッセージを適切に調整する方法を理解することが困難だった。
WPPとIBMは、watsonxを活用して以下のようなプラットフォーム向け機能を構築する。
これらの機能は「IBM watsonx.governance」のツールキットによってサポートされており、クライアントはAIモデルのパフォーマンスを管理し、透明性をもって追跡することができる。
WPP Open for B2Bの主要なコンサルティングパートナーはIBM Consultingで、IBM Garageという共創を通じたエンゲージメントモデルを使用し、プラットフォームのカスタマイズと運用、マーケティングワークフローへの統合、従業員のスキル構築とプラットフォーム採用の支援を行う。
今回、WPPとIBMはLinkedInと戦略的に協業し、ブランドが購買グループをよりよく理解し、より効果的にマーケティングを行い、ターゲットとなる購買層にリーチできるよう支援する。
IBMはすでに自社のマーケティングコミュニケーション組織内でWPP Open for B2Bの導入を開始している。LinkedInのオーディエンスデータを安全かつ倫理的に活用するこのソリューションは日本でも展開可能で、LinkedInの国内でのプレゼンスが高まるにつれて、その有効性も高まると見られる。
今回の協業に関する各社のコメントは以下の通りだ。
私たちのクライアントは、適切なタイミングや適切なチャネルで、適切なメッセージを、適切な人々に届けたいと考えています。しかし、現在市場にあるほとんどのソリューションは消費者マーケティング向けに設計されており、単一の購買時点における、たった一人の意思決定者のみをターゲットにしています。WPP Open for B2Bと、IBMおよびLinkedInとのコラボレーションは、WPPとIBMのテクノロジーと専門知識を最大限に活用し、B2Bマーケティング領域における非常に複雑な課題の解決を支援します」(WPP チーフテクノロジーオフィサー ステファン・プレトリウス氏)
B2Bマーケターは、購入グループに対して、真にパーソナライズされ、関連性、一貫性のあるエクスペリエンスをスケール感のある規模で提供することに長年注力してきました。WPPとLinkedInとの協業は、信頼できるデータに基づいた、リアルタイムで実行可能なインサイトを提供します。B2Bマーケティング投資以上の成果を生み出すために、強力で信頼できる新しいAIソリューションを提供、活用できることへの期待が高まっています」(IBM マーケティング&コミュニケーションズ担当シニアバイスプレジデント ジョナサン・アダシェク氏)
B2Bでは、顧客は6〜10人のステークホルダーにリーチする必要があり、購入グループ全体の関係構築と「集団的信頼感」が成功の鍵を握っています。購入グループに関する私たちの知識が、B2B向けのWPP Open にどのような情報を提供し、クライアントがより効果的な広告キャンペーンを提供するのにどのように役立つかを、WPPやIBM共に見定めていくことを楽しみにしています(LinkedIn バイス・プレジデント ペンリー・プライス氏)
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