GartnerのCMO調査の結果が示唆する低予算時代のマーケターが生きる道今日のリサーチ

Gartnerが欧米のマーケティング意思決定者395人を対象に実施したCMO支出調査の結果です。

» 2024年05月21日 10時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 Gartnerは、2024年2月から3月にかけて欧米のCMO(最高マーケティング責任者)およびマーケティングリーダー395人を対象に、毎年恒例のCMO支出調査を実施しました。その結果、平均マーケティング予算は2023年に企業収益全体の9.1%を占めていたのが2024年は7.7%に低下したことが明らかになりました。

CMOは「より少ない労力でより多くのことを行う」必要がある

欧米企業の総収益に占める2024年のマーケティング予算の割合の推移<2019〜2024年>(出典:Gartnerのプレスリリース、以下同)

 プレスリリース(外部リンク/英語)の冒頭で同社マーケティングプラクティス担当バイスプレジデント兼主席アナリストであるユアン・マッキンタイア氏は「CMOは『より少なく』の時代に生きている」と述べ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック後の4年間で平均的なマーケティング予算が大幅に減少したことを指摘しています。

 CMOはマーケティングテクノロジー、労働力、代理店への支出を抑制する一方で、ペイドメディア(広告)への投資を維持しています。2024年のペイドメディアへの投資は予算の27.9%に拡大しました。一方、テクノロジーへの投資は減少傾向が続き、過去10年間で最低水準になっています。

マーテク、労働者、ペイドメディア、代理店へのマーケティング予算配分

 マッキンタイア氏は「予算が厳しくなり、成長志向が高まる中で、投資戦略の大幅な変化が見られた。マーテク投資の減少は、テクノロジーへの関心が失われたことを示すものではなく、むしろCMOのマーテクに対する影響力が減少し、ITなど他部門のリーダーのコントロールが拡大していることを反映するものだ。一方でCMOは明らかにメディア支出を優先しており、成長を促進しようとしている」と述べています。

 ペイドメディア支出に占めるデジタルの割合は2023年の54.9%から2024年には57.1%まで増加しています。上位チャネルには、検索(13.6%)、ソーシャル広告(12.2%)、デジタルディスプレイ広告(10.7%)が含まれます。しかし、CMOが投資しているチャネルとそのチャネルが持つと認識している影響力の間には不一致が見られます。例えば、CMOはデジタルビデオ/ストリーミングを最も影響力のあるデジタルチャネルとしてランク付けしましたが、支出に関しては4位にすぎません。オフラインチャネルの投資額上位はイベントマーケティング(17.1%)、スポンサーシップ(16.4%)、テレビ(16%)でした。 

 困難を突破する重要なツールになりそうなのが生成AIです。マッキンタイア氏は「財政的な課題にもかかわらず、大多数のCMOはAIが状況を好転させるかもしれないと信じている。64%のCMOは2024年の戦略を実行する予算が不足していると答えているが、生成AIは予算の制約をはるかに超えてマーケティング機能の影響力を拡大する機会を提供する」とコメントしています。

 AIに期待されるのが時間とコストの効率化。マッキンタイア氏は「予算の削減が問題になるのは、マーケティングリーダーが以前と同じツールを使い続けている場合に限られる。CMOがAIを導入した現在はそうではない。生成AIは、限られたリソースで生産性の向上を実現する」と述べています。

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