メタバース生活者定点調査2023 メタバース利用経験は横ばいでも認知は向上今日のリサーチ

博報堂DYホールディングスによる「メタバース生活者定点調査2023」の結果です。メタバース利用者の動向、利用層の趣味や性格なども調査、今後のメタバース関連ビジネスのヒントを探っています。

» 2024年04月17日 09時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 博報堂DYホールディングスは全国15〜69歳の生活者を対象に、メタバースに関する現状の生活者意識や動向を把握することを目的とした「メタバース生活者意識調査2023」を実施しました。今回は2022年度の「メタバース生活者意識調査」の聴取内容をアップデートし、前回調査との比較も踏まえ現在のメタバース利用者の動向に着目。今後のメタバース関連ビジネスの攻略の糸口を探りました。

メタバース利用層はゲーム以外にも

 調査では約50のメタバース関連サービスを提示して認知、利用経験・頻度を聴取し、2〜3カ月に一度以上でいずれかのメタバース関連サービスを利用している人を「メタバース利用層」と定義しました。今回、メタバース関連のサービスを認知している人は前年度から4.3ポイント増えて全体の40.5%(推計約3294万人)、メタバース利用層は同0.1ポイント増で全体の8.4%(推計約680万人)でした。

「メタバース関連サービスの認知」40.5%、「利用経験」は8.4%(出典:博報堂DYホールディングス、以下同)

 どのような人たちがメタバースを利用しているのかも分かってきました。

 利用層の趣味を全体差分降順で確認すると、「テレビゲーム」が34.0%(全体差分プラス13.0ポイント)、「ゴルフ」が15.4%(全体差分プラス9.3ポイント)、「ジョギング・ランニング」が19.0%(全体差分プラス9.3ポイント)、「ジム・フィットネス」が16.3%(全体差分プラス7.2ポイント)で、ゲーム以外の趣味を持つ生活者もメタバースを利用していることが確認できます。

 また、性格については「ゲームをプレイすることが好き」が61%(全体差分プラス13.5ポイント)、「いつも楽しそうだねと人に言われる」が28.4%(全体差分プラス7.9ポイント)、「ノリがよく、ハメを外すこともある」が28.8%(全体差分プラス7.0ポイント)でした。メタバース利用層はコミュニケーション能力がある程度高いことがうかがえます。

 メタバースを利用したことによる生活者への影響では、「メタバースを利用したことによって、自分の興味領域が広がった」が16.5%でトップ。「メタバースを利用したことによって、もっと多くの領域について詳しくなりたいと考えるようになった」が14.0%で3番目となるなど、生活者がメタバースを利用することで自身の興味・関心の領域を拡げていたる様子が見えてきました。

 メタバース利用層の年間平均課金額は7万1230円でした(メタバースサービスへの課金者ベース)。カテゴリ別の課金額を2022年度と比較すると、「ゲーム体験」が6907円(マイナス4860円)、買い物体験が1万3425円(マイナス2092円)と、主要なカテゴリーの課金額はそれぞれ減少しています。一方で「旅行」が2万1265円(プラス6591円)、アバター購入が1万1552円(プラス5916円)、リラックス体験が9140円(プラス3738円)、スポーツ観戦が1万2573円(プラス3096円)となり、ゲーム以外の一部の領域での課金額が増加していることが確認できました。

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