GA4をSEOに役立てるには? 初心者でも分かる導入方法と具体的な分析手法を解説SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説

「Web担当になったばかりでSEOやGA4と聞いただけで不安」という方向けに、Web初心者でもサクッと読めてすぐに実践できるGA4解説をお届けします。

» 2024年03月26日 07時00分 公開
[谷川祐一SEOタイムズ]

 SEO対策でアクセス数アップを目指すなら、「Googleアナリティクス4(以下、GA4)」は必須ツールです。GA4は従来のアクセス解析ツールよりも詳細なデータ分析でユーザーニーズを把握し、効果的なSEO対策を実行できます。この記事をおすすめしたいのは以下のような人です。

  • Web担当になったばかりの人
  • SEO対策を初めて学ぶ人
  • GA4の導入方法を知りたい人
  • SEO対策に役立つレポートを知りたい人
  • データ分析の具体的な方法を知りたい人

 この記事でGA4とSEOの知識を身に付け、あなたのWebサイトのアクセス数アップを目指しましょう。

GA4って何?

 まずは、GA4とは何か、基本的な機能や従来のGAとの違いを確認していきましょう。

 GA4は、Googleが提供する無料で使えるアクセス解析ツールです。従来のGoogleアナリティクス(UA:ユニバーサルアナティリクス)と異なり、ユーザーの行動をより詳細に分析できる点が特徴です。UAは、セッション数やページビュー数などの指標に焦点を当てていました。一方、GA4はユーザーの行動をより詳細に分析できるよう、イベントデータをベースに設計されています。

GA4導入のメリット

 GA4はWeb上でのユーザー行動をより詳細に分析できる点がメリットです。

  1. クロスプラットフォーム分析が可能:同じGoogleアカウントでログインしているユーザーであれば、ブラウザ・アプリ両方からたどることができる
  2. リアルタイムデータ分析が可能:通常、データの反映には数時間かかるが、リアルタイムのデータも取得できる
  3. 予測分析機能が利用できる:ユーザーの行動を予測する機能がある

GA4導入のデメリット

 GA4の課題としては以下のようなことがあります。

  1. 従来のGAとデータ構造が異なる:従来のGAを使い慣れている人は慣れるまでに時間がかかる可能性がある
  2. リアルタイムデータ分析には設定が必要:事前にリアルタイムデータを取得するためのフィルター設定をしておく必要がある
  3. 予測分析機能は精度が完璧ではない:事前に十分なデータを蓄積できないと精度が高まらない

GA4導入の手順

 GA4はGoogleが提供する無料のアクセス解析ツールで、以下のページの「測定を開始」をクリックすることで簡単に使い始めることができます。

 GA4を新規に使う手順は以下の通りです。

  1. 「Googleアナリティクスへようこそ」(外部リンク)にアクセス
  2. アカウントを作成
  3. プロパティを作成
  4. Webサイトの< head >内に測定タグを設定
  5. データ収集を開始

 もともとGAを使っていた人はアップデートする要領で導入できます。また、WordPressなどGAを搭載できるCMSも便利です。

GA4でSEO対策はできる?

 GA4は、SEO対策を成功させるための強力なツールです。ユーザーの検索行動やWebサイト内での行動を分析することで、ユーザーニーズに合致したコンテンツ作成やWebサイト改善に役立ちます。GA4で取得したデータは以下のようなSEO対策に役立てることができます。

  1. ユーザーニーズに合致したキーワード選定、コンテンツ作成と改善:コンバージョンにつながったユーザーのコンテンツ閲覧履歴を確認しやすくなったため、より価値のあるキーワードやコンテンツが分かるようになった
  2. 内部リンクの最適化:訪問したユーザーがクリックした内部リンク、外部リンク、ダウンロードファイルが分かる
  3. Webサイト構造の改善:ユーザーがWebサイト内でたどった履歴を整理することで、より効果的なWebサイト内動線のヒントが見つかる可能性がある

 ただし、キーワードごとの検索順位や被リンク獲得施策、競合のWebサイト分析など、GA4ではできないSEO対策もあります。

SEO対策に役立つGA4レポート

 GA4には、SEO対策に役立つレポートを作成できます。特に重要な「ユーザー獲得レポート」「エンゲージメント概要レポート」「コンバージョンレポート」の3つについて紹介します。

ユーザー獲得レポート

 このレポートは、どのようなユーザーがWebサイトに訪問しているのかを分析できます。

  • 確認できる指標
    • 新規ユーザー数
    • 再訪ユーザー数
    • トラフィックチャネル
    • デバイス
    • 地域など
  • SEO活用例
    • 新規ユーザーが多いコンテンツのキーワードを分析してSEO対策に生かす
    • 特定のデバイスからのアクセスが多い場合はWebサイトデザインを調整

エンゲージメント概要レポート

 このレポートは、ユーザーがWebサイト内でどのように行動しているのかを分析できます。

  • 確認できる指標
    • セッション数
    • ページビュー数
    • 平均セッション時間
    • 離脱率など
  • SEO活用例
    • 離脱率が高いページを分析して、改善策を検討
    • ユーザーの滞在時間を延ばすためのコンテンツ分析

コンバージョンレポート

 このレポートは、どのようなユーザーがコンバージョンに至っているのかを分析できます。

  • 確認できる指標
    • コンバージョン数
    • コンバージョン率
    • コンバージョンに至ったページ
    • コンバージョンに至ったユーザー属性など
  • SEO活用例
    • コンバージョン率の高いページを分析して、SEO対策に生かす
    • コンバージョンに至っていないユーザー属性を分析して、ターゲティングを調整

GA4で取得したデータを分析する方法

 SEO対策で成功するためには、データ分析は欠かせません。GA4で取得したデータを分析する具体的な方法を5つのステップに分けて紹介します。

第1段階:目的を明確にする

 何を分析したいのか、何を知りたいのかを明確にします。

    • どのキーワードで検索流入が多いのか?
    • ユーザーはどのページで離脱しているのか?
    • コンバージョン率を向上させるにはどうすればよいのか?

第2段階:仮説を立てる

 分析結果から導き出したい結論を仮説として立てます。

    • 特定のキーワードをターゲットにSEO対策を行うことで、トラフィックを増やせるのでは?
    • ユーザーの離脱率が高いページを改善することで、コンバージョン率を向上できるのでは?

第3段階:データを収集する

 先述のユーザー獲得レポートやエンゲージメント概要レポート、コンバージョンレポートを使って必要なデータを収集します。

第4段階:データを分析

 収集したデータを分析し、仮説を検証します。

第5段階:結論を導き出す

 分析結果に基づいて、仮説が正しいかどうかを判断し結論を導き出します。結論から検討すべき改善策も見えてくるでしょう。

 GA4で得た指標の分析方法として、コホート分析やリファラー分析といった手法があります。GAの分析手法を応用できるものもあるので、気になった分析手法を試してみてください。

分析結果に基づいた改善策

 データ分析で得られた結果を、具体的なSEO対策に生かしましょう。

分析結果の解釈

 まず、データ分析結果の意味を読み解き、課題を見つけます。

    • 特定のキーワードで検索流入が多い
    • ユーザーの離脱率が高いページがある
    • コンバージョン率が低い

改善策の立案

 次に、課題解決のための施策を検討し、実行可能なものを選択します。

    • 対象キーワードをターゲットにしたコンテンツを作成
    • 離脱率が高いページを改善
    • コンバージョン率向上の施策を実施

改善策の実行

 施策を実行したら、進捗状況を管理しましょう。ポイントは責任を持って進捗管理を行う担当者を決め、スケジュールを管理すること。担当者と定期的に進捗状況を確認する時間を設けましょう。

効果の測定

 効果を測定する指標を決め、効果を測定します。例えば「検索流入数」「ページビュー数」「コンバージョン率」といった指標が挙げられます。各指標の改善策実行前後のデータを定期的に比較すると、効果を測定できます。分析結果に基づいて改善策を立案・実行し、効果を測定することで、SEO対策を継続的に改善することができます。


 GA4とSEOの関係、具体的な活用方法、データ分析の考え方、改善策の立案・実行方法などを解説しました。指標を分析することによって、ユーザーニーズに合致したコンテンツ作成やWebサイト改善、内部リンク最適化、Webサイト構造改善といったSEO施策に役立つヒントを得ることができます。GA4のデータを分析した結果に基づいて、具体的な改善策をぜひ実行してみてください。

執筆者紹介

谷川祐一さん

谷川祐一

たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム マネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(マネージャー)としてSEO初心者向けオウンドメディア『SEOタイムズ』とSNS運用代行サービスの立ち上げを行う。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。


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