TMT業界における成長企業ランキングの2023年度版が発表されました。
デロイト トーマツ グループは2024年3月21日、日本国内のTMT(テクノロジー、メディア、通信)業界の企業を対象にした収益(売上高)に基づく成長率ランキング「Technology Fast 50 2023 Japan」を発表しました。同ランキングはTMT業界での成長性や成功のベンチマークとなるもので、今回で21回目の開催となります。ランキング対象となる事業領域は半導体や部品・コンピュータ、周辺機器等を含むハードウェア、アプリや各種管理運用システムを含むソフトウェア、インターネットやクラウドサービスを含む通信、広告やマーケティング、Eコマースを含むメディア、バイオや製薬を含むライフサイエンス、再生技術やエネルギー貯蔵、機器を含むクリーンテックの6領域です。
2023年度の1位は物流DX企業のエニキャリで、過去3決算期の成長率は1442.9%(約15.4倍)と、突出した伸びを示しました。 2位はARグラス向けディスプレイモジュール・ソフトウェアの開発・販売を手掛けるCellidで成長率は802.7%。3位は顧客中心の経営を実現するプラットフォーム「coorum(コーラム)」を提供するAsobica(アソビカ)で成長率は736.8%を記録しました。
今回は1位のエニキャリから5位のAntwayまでが成長率600%(7倍)以上の伸びとなりました。前回は受賞企業のうち成長率300%(4倍)以上の企業は4社でしたが、今回は14社と大幅に増加しました。最も多かったのは150〜300%未満のゾーンで19社となっており、前年度と比較して受賞企業の売上高成長率の平均は約2倍となった他、0〜100%未満の企業数が前回は21社だったのに対し今回はゼロでした。
今回の受賞企業を業種別に見ると、最も多かったのはソフトウェアで、前回に比べ5社減りましたが56%でトップを維持しました。通信は前回の2.4倍となる24%で3位から2位に浮上、3位がハードウェアの10%でした。
受賞企業の売上高規模の内訳では、前回は50億円未満の受賞企業(10億円未満、10億〜50億円未満の合計)の比率が拡大しましたが、今回もその傾向が加速し、全体の92%を占めました(前回より8ポイント増)。中でも10億円未満の企業の勢いは著しく、全体の52%を占め、前回を10ポイント上回り、2020年に比べると32ポイントも上昇して52%となっています。一方、50億円以上の受賞企業(50億〜100億円未満、100億〜500億円未満、500億円以上)の比率は8%で前回から半減し、50億〜100億円未満の企業はゼロでした。
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