応援広告がもたらす「推しサイクル」とは?今日のリサーチ

ジェイアール東日本企画のjeki応援広告事務局(Cheering AD)が実施した「推し活・応援広告調査2023」の結果を紹介します。

» 2024年03月22日 06時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 ジェイアール東日本企画のjeki応援広告事務局(Cheering AD)は2023年12月から2024年の年初にかけて、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の15〜69歳の男女(サンプル数1万9202)を対象に「推し活・応援広告調査2023」を実施しました。「応援広告」とは企業ではなく一般消費者が屋外メディア(OOH広告)を使い、自身が好きで応援したいと思う「推し」を応援するための広告のことです。

推し活経験は幅広い世代に

 調査対象全体に推し活経験の有無を聞いたところ約4割が「ある」と回答しました。そのうち、15〜29歳女性の約6割が推し活経験があると回答。50〜60代男女でも約4人に1人が経験ありと回答しました。

約4割が推し活経験あり(画像提供:Cheering AD、以下同)

 実施したことがある推し活の上位には「推しに関する映像を鑑賞」「コンサート・舞台・試合等への参加」「グッズを買いに行く」が挙がりました。「推しの誕生日や記念日を祝う」「応援広告を見に行く・巡る」「祝い花を出す」「応援広告を企画・出資する」など、ファンが主体となり、推しを応援する活動も行われています。

実施したことがある推し活

 推し活のための長距離移動(遠征)をした経験のある人は推し活経験者の約3割。推し活別の移動実施率をみると、「聖地巡礼」「ファン同士で集まる」「応援広告を見に行く」など、推し不在の推し活でも遠征モチベーションにつながっていることがわかります。海外へ行く比率が高いのは応援広告です。これは応援広告がもともと韓国発のカルチャーであるのが理由と考えられます。

推し活経験者の約3割が押し活のために長距離移動を経験

 推し活経験者の応援広告認知率は約4割。そのうち2割が実際に見たことがあると回答。15〜29歳の男女の認知率は約6割、60代男女も約4割と推し活経験層の幅広い世代に浸透しているようです。

推し活経験者の応援広告認知率

 応援広告実施後、主催者・出資者の約4割がファン同士のつながりが深くなったと回答しています。広告を見に行ったファンにおいては、約5割がファン同士のつながりの深さを実感しています。また、応援広告を見に行ったファンの約5割が、見に行った応援広告の写真をSNSに投稿しています。

応援広告実施後、主催者・出資者の約4割、見に行ったファンの5割が「ファン同士のつながりが深くなった」と回答

 応援広告実施後、約8割が応援広告以外の推し活(イベント参加、グッズ・CD購入など)が活性化したと回答。前回調査と比較し、「増えた」と回答した人が約15ポイント増加しています。

応援広告実施後、約8割が応援広告以外の推し活も活性化

 応援広告のポテンシャル市場は377億円で、前年比で拡大しています。未経験者における応援広告に使用しても良い金額も前年よりも増えており、未経験者にも応援広告の価値が浸透してきていることがポテンシャル市場拡大の要因と考えられます。

応援広告のポテンシャル市場は377億円

 Cheering ADはプレスリリースの中で「ファンが主体となる応援広告はファン同士の共感を生み出し、コンテンツをより活性化させるポジティブなサイクルを生み出すと考えています」と述べ、このサイクルを「推しサイクル」と名付けています。

「推しサイクル」とは?

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