AI同士が議論して商品開発のアイデア出し 博報堂が「マルチエージェント ブレストAI」の業務活用を開始商品開発プロセスを効率化

専門知識を持ったAI同士が協調して意思決定と企画生成を行う仕組みを活用。最適な結論や新規性のある企画生成、議論過程や根拠の可視化、人間との対話やフィードバックを通じた学習や改善といった特徴を持つ。

» 2024年03月04日 21時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 博報堂と博報堂テクノロジーズは、商品開発プロセスを効率化するAIサービス「マルチエージェント ブレストAI」の業務活用を開始した。商品開発に必要な専門知識を持った複数のAIが自立議論し、意思決定とアイディア創出をするもので、商品開発全体の効率化を実現する。それにより創出された時間を、博報堂の強みであるクリエイティビティーにかかわる業務に充当させることで品質向上も実現する。

アイデアの多様性も実現

商品開発における「マルチエージェント ブレストAI」の活用イメージ(出典:博報堂のプレスリリース)

 顧客のニーズが多様化する中、商品企画や開発にはさまざまな専門知識が必要となっている。しかし、初期の商品企画段階から多くの専門知識を持つ人材を巻き込んで打ち合わせや検討を重ねることは、人材確保や工数の面で現実的ではない。

 そこで、博報堂DYグループのテクノロジー戦略会社である博報堂テクノロジーズが開発したのがこのマルチエージェント ブレストAIだ。同サービスは、企画、製造、物流、リテール営業など、商品開発に必要な各フェーズの専門人員の知識をAIに与えることで、従来人間が行ってきた市場ニーズ探索や商品企画、開発、デリバリーなどのプロセスに関する議論をAI同士が実施し、商品コンセプト段階から実現性などを考慮したアイデアを創出する。これにより、商品開発で生じる手戻りを大幅に減少させ、プロセス全体の効率化を図る。また、さまざまな専門知識を持ったAIを自由に設定できるため、アイデアの多様性も実現する。

 博報堂と博報堂テクノロジーズは今後、提案活動や社内検証で同サービスを繰り返し活用し、検証結果をデータ化し学習させ独自のモデルを構築する。それにより、博報堂DYグループ独自の機能を強化し、さまざまな分野の企業の商品開発を支援し、生活者にとって価値のある商品を提供する。

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