Disneyは年次イベント「Disney Tech & Data Showcase」で、デジタル広告領域における幾つかの新しいサービスの提供を発表した。
Disneyは、2024年1月10日に開催された第4回「Disney Tech & Data Showcase」で、「Hulu」と「Disney+」の両方にまたがる広告を1つのキャンペーンで購入できるなど、多くの新しい広告サービスを発表した。バンドルサービスはまずβ版として提供し、2024年3月に正式リリースする予定だ。
4年目を迎えたDisney Tech & Data Showcaseは、2024年後半のアップフロントプレゼンテーションに先立ち、広告主がDisneyから何を期待できるかを提示するイベントだ。米ラスベガスで開催されたCESから生中継された同イベントは、Disneyが広告提供の強化を図り、ライブTV、ストリーミング、その他のプロパティーのポートフォリオ収益化を高めようとする中で行われた。
Disneyのグローバル広告担当プレジデントであるリタ・フェロ氏は「Disneyは他にはない実績のあるエンゲージメントで、クライアントをワールドクラスのエンターテインメント、スポーツ、番組につなげる。業界をリードする当社のテクノロジーとデータケーパビリティーは、グローバルなスケールやリーチと相まって、ブランドのパフォーマンスと効果を促進しながら、消費者の意図に合ったインパクトのある体験を提供することを可能にする」と語った。
そこで今回発表したのが、ネイティブなショッパブル広告フォーマット「Gateway Shop」(外部リンク/英語)だ。これはメールやプッシュ通知、QRコードを利用したコマース対応の広告フォーマット「GatewayGo」を基盤としたもので、コンテンツとコマースを結び付けるDisneyの取り組みを推進する。GatewayGoは2020年から提供している。新しいフォーマットでは、視聴者はテレビや映画の番組内で目にした商品を、番組を中断することなく、ボタン一押しでセカンドスクリーンのショッピングカートに追加できる。
サードパーティーCookieの廃止が進む中、より深いデータ保存を求める動きが続いている。Disneyはクラウドサービスプロバイダーのリストも拡大し、業界大手のAmazon Web ServicesとGoogle Cloudを追加した。Disneyはまた、Habuと組んで「Disney Portal」を発表し、顧客が自前のデータクリーンルームを立ち上げることを可能にした。
また、DisneyはInnovidおよびLucid Impact Measurement by Cintとの新たな提携により、2024年のもう一つの大きな課題である、より優れたストリーミング測定の必要性にも取り組んだ。Lucid Impact Measurement by Cintの常時稼働ダッシュボードは、2K Games、The Hershey Company、Josh Cellarsなどの広告主に、広告の想起、検討、購入意向、ブランド好感度に関するデータへのアクセスを提供する。
「私たちは、意思決定、データ、エンジニアリング、自動化、測定を組み合わせて、広告パートナーのビジネスニーズを満たすという大きな競争優位性を実現している。業界で最も強力なテクノロジースタックを持っているため、さらにスマートなイノベーションへの道を切り開くことができる」と、Disneyのシニアバイスプレジデント(コマース、グロース、アイデンティティー担当)であるアジェイ・アローラ氏は語った。
Disneyはセルフサービスと自動化機能を通じて広告ビジネスを成長させ続けている。Disney Campaign Managerは4200以上のブランドで利用されており、Disney+の広告サービスの拡大に伴い、グローバルに展開される予定だ。さらに、Disney+とESPN+のインベントリーは、年内にセルフサービスで利用できるようになる。
最後に、同社は新たなコンテクスト広告「Disney’s Magic Words」を紹介した。これは、高度なデータを使用してライブラリ全体のシーンとビジュアルを分析し、気分や感情を広告メッセージに結び付ける働きをする。2024年中にβパートナーに先行公開し、年末までにさらに幅広いユーザーに提供する予定だ。
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