「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2023年12月)「テクノグラフィック」で読み解くMarTechの現在

今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

» 2023年12月05日 08時00分 公開
[TecPlus]

 今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10です。

国内MAツール顧客ドメイン数TOP10<2023年12月5日>(出典:TecPlus)

MAとパーソナライゼーションのどちらを選ぶべきか

 英国ロンドンに本社を置くDotdigital(ドットデジタル)は、デジタルマーケターや開発者のコミュニケーションに役立つ顧客エンゲージメントプラットフォームを提供する企業です。2023年9月、同社はMAとパーソナライゼーションのどちらを選ぶべきかをテーマにしたブログを発表しました。

 今日の高度に競争力のあるデジタル環境では、企業はしばしばMAとパーソナライゼーションのどちらかを選択するべきかという議論の中に身を置くことがあります。どちらか一方を選択するべきように思えるかもしれませんが、マーケティングの可能性を最大限に引き出す鍵は、両方をマスターすることです。
 パーソナライゼーションとヒューマンタッチ――テクノロジーが支配する時代においても、人々は個人的な交流を大切にしています。だからこそ、パーソナライゼーションは依然として重要なマーケティングツールなのです。
 ヒューマン・トゥ・ヒューマン(H2H)マーケティング戦略は、パーソナライズされた動画を作成したり、ソーシャルメディアを通じて見込み客の興味を理解したりなど、個々の体験を作り出すことに焦点を当てています。これらのテーラードなアプローチは、質の高いリードを引きつけ、コンバージョン率を高めます。パーソナライゼーションをMAと融合させましょう。マーケティングは、より本物っぽく、魅力的なものになるはずです。(出典:The Dotdigital Blog)

MAによるパーソナライゼーション

 適切に行われたMAは、各連絡先のニーズと好みに応じて、人間味のあるアプローチを提供します。パーソナライゼーションとシームレスに連携し、大規模にオーダーメイドのエクスペリエンスを提供します。これを実現する4つの方法とは何でしょうか?

  1. オーディエンスのセグメント化
  2. ダイナミックコンテンツの使用
  3. 顧客主導のジャーニー
  4. 行動データの活用

 今回は、パーソナライズに深く関係する「2」について説明します。

ダイナミックコンテンツの使用

 ダイナミックコンテンツは、電子メールマーケティングにおいて画期的なものです。これにより、1つのメール内で受信者に対して個別、かつターゲット向けのコンテンツを提供できます。これを実現するには、顧客の分析を活用し、ダイナミックコンテンツブロックとスマートなプログラムロジックを使用してスケールできる魅力的なコンテンツを作成する必要があります。受信者の位置に基づいて地元の店舗の画像を表示し、まるで一緒にいるかのような感覚を提供できると想像してみてください。また、最近閲覧または購入したアイテムに基づいて商品を推薦し、購買に向けて追加の誘導をすることもできます。

 ダイナミックコンテンツを使用することで、各受信者の独自の好みや行動に対応した非常に関連性の高いエンゲージングなメールを作成できます。まるで顧客の欲しいものをよく知っているアシスタントがいるようであり、適格なタイミングでメッセージを提供できます。

機能拡張が目まぐるしいMAとその周辺ツール

 現在、TecPlus(テックプラス)のデータではMAを採用している国内のドメイン数は1万8940で、その内の9445ドメインがパーソナライズツールを併用しています。同じく、電子メールマーケティングツールの併用ドメイン数は1386とあまり高くありません。

 しかし、今日、海外や国内のMAツールにパーソナライズ機能やメールマーケティング機能が加わったり、メール配信サービスにMA機能が追加されたりと、各社併用率が高いツールの機能拡張が行われています。

 12月度のMA市場の動向においては、「HubSpot」の伸びが一段と加速しています。また、11月度より測定に加わったSalesforce「Marketing Cloud」は対前月比で117ドメイン、「Adobe Experience Cloud」はプラス104と順調な伸びを示しています。

この連載について

 TecPlus(テックプラス)はAI塔載型チャットツールを提供するチャットプラスが提供する競合テクノロジーの導入・解約情報データ(テクノグラフィック)サービスです。同サービスは高精度のトラッキング技術で国内150万以上の企業のドメイン・URLを解析。海外および国産の1000以上のツールについて、「いつから導入開始?」「いつに解約された」「企業のテクノロジー環境は」「どのサイトへ導入されている?」などを特定し、自社の営業活動やマーケティング効率を最大化するデータ提供を国内ICT企業やDXを促進する一般企業向けに提供しています。これを基に当連載ではテクノグラフィックデータにフォーカスし、関連製品の導入数ランキング(直近1カ月)を週替わりで紹介します。


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