HubSpotが考える「オペレーション」 顧客体験と営業・マーケティング部門の生産性向上を同時に実現するには?脱サイロ化の鍵

情報や組織、戦略の分断は競争力向上を妨げる。これを回避するために重要なのが「オペレーション」だ。

» 2021年08月26日 10時00分 公開
[織茂洋介ITmedia マーケティング]

 企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が叫ばれ、各種のデジタルツールの導入が進んでいる。しかし、社内の各部門では断片的にデジタル化が進んでも、全社レベルでは必ずしも生産性向上に結び付かないことが多い。また、顧客体験の向上にもつながらない。

 このような課題を解決する上で重要になるのが、ツールの管理や業務プロセスの整備、戦略立案といった「オペレーション」だ。HubSpotはこのオペレーション業務に注目し、これを支援するためのツールである「Operations Hub」を2021年4月に提供開始している。HubSpot日本法人のHubSpot Japanは2021年8月25日に記者向けの勉強会を開催。従来後方支援的存在と位置付けられてきたオペレーションの重要性とOperations Hubの主要な機能について解説した。

「オペレーション」とは何か

亀山將氏

 HubSpot Japan マーケティングチーム マネージャーの亀山將氏は、昨今の日本企業でよく聞く大きな課題は2つあると述べる。1つ目は従業員・チーム間の「分断」。2つ目は社内プロセスや情報、戦略の「分散」だ。

 ジョブ型雇用の浸透で人材の流動性が高まる中では、属人化は深刻な問題だ。例えばマーケティングツールの設定状況が担当者の転職によって分からなくなってしまうというようなことがよくある。また、マーケティングと営業など、それぞれの部門内ではノウハウが共有できていても、部門間の連携が取れないためにアップセルやクロスセルなどの収益機会を逸していたということも起こりがちだ

 リモートワークの普及もあって業務のデジタル化は進んだが、社内体制がそれに追い付かない点も問題だ。例えば、多くの製品を製造しているある製造業では各商材によって営業プロセスが異なり、顧客情報も社内のさまざまなところに散らばっていた。こうした状況でCRMツールだけ導入してみても、指標の定義さえ統一できずレポートから正しい示唆を得られずに終わってしまう。

 オペレーションはこのような分断・分散の課題解決の一助になる。HubSpotはオペレーションの具体的な役割を、アルファベットの「P」から始まる3つのキーワードで説明している。

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