「自分の価値観と合わない企業から購入するのをやめた」 回答者の6割――セールスフォース・ドットコム調査今日のリサーチ(1/2 ページ)

「ステークホルダー資本主義」が期待されています。セールスフォース・ドットコム「コネクテッドカスタマーの最新事情」(第4版)を基に、企業が顧客理解と共感の実現に向けて今すべきことを考察します。

» 2021年02月18日 19時00分 公開
[ITmedia マーケティング]
セールスフォース・ドットコムの笹俊文氏

 セールスフォース・ドットコムは「コネクテッドカスタマーの最新事情」(第4版)を公開しました。同レポートは米国本社であるSalesforceの調査機関であるSalesforce Researchが日本を含む全世界27カ国で実施した調査レポートの日本語版。日本を含む全世界1万5600人のインサイトをまとめています。なお、回答者うち消費者は1万2000人、B2Bの企業担当者は3600人です。本稿ではセールスフォース・ドットコムの笹俊文氏(専務執行役員 ジェネラルマネージャ プロダクトセールス担当)の解説を交えつつ、レポートのハイライトを紹介します。

求められるのは利便性の高いコネクテッドエクスペリエンス

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で企業と顧客の関係性が変わりつつあります。2020年に商品の入手方法やサービスの利用方法が変わったと回答した人は63%、企業とのつながり方が変わったと回答した人は57%でした。

 企業とのやりとりにおけるオンラインとオフラインの比率は、2019年時点ではオフラインの方が高い傾向にありました。しかし、2020年はそれが逆転。感染拡大後は以前に比べてオンラインを利用する時間が増えていると考える顧客の割合は61%でした。

 顧客は企業に迅速な変革を求めています。新型コロナ危機を受けて企業にデジタル変革を期待する顧客の割合は88%、企業のデジタル対応力に期待が高まったとする顧客の割合は68%でした。

 笹氏によれば、「求められるのは利便性の高いコネクテッドエクスペリエンス、つまり、あらゆる顧客接点がつながって一貫性のある体験が実現し、ストレスがない状態」です。そのためにはデジタルの活用とデータの一元化が欠かせません。いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)です。DX推進は以前から叫ばれていましたが、コロナ禍をきっかけに緊急性が高まったと言えそうです。

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