新型コロナウイルスの脅威が高まる中、国内の関心はどのように移り変わっているのか。「Google トレンド」で振り返ったレポートを紹介します。
グーグルは、膨大な検索データから人気の話題や注目のキーワードを確認できるツール「Google トレンド」を用いて、2020年3月22日までのデータを基に、日本における新型コロナウイルスに関連する検索動向をレポートしています。
新型コロナウイルスは2019年12月後半に中国で初めて報告され、瞬く間に全世界へ拡大しています。2020年1月には世界保健機構(WHO)がパンデミックを宣言。新型コロナウイルスに関する検索は、中国の国家衛生健康委員会が「ヒトからヒトへの感染が認められる」と発表したことや、中国での死者数が2桁(17人)に増加したこと、さらには米国で初の感染者が公表された1月21〜22日頃に検索が増え始めました。最初のピークを迎えたのは1月30日。グーグルでは、政府チャーター機による武漢在住の日本人が帰国して国内の報道量が増えたことが起因したと見ています。
その後、一旦検索量は落ち着き、2回目のピークを迎えたのは2月27日。この日に日本政府は全国の小中学校、高等学校、特別支援学校に休校の要請を出しています。
日常生活における情報収集にも変化が見られます。臨時休校の要請が出た翌日の2月28日に大きく伸びた検索ワードは「ネットスーパー」です。ここには、「ネットスーパー」というワードと特定の店名と両方が含まれます。瞬間風速的に検索量が増加し、通常に戻る点についてグーグルでは、一度見つければ、そのネットスーパーの利用が定着するからという見方をしています。また、通常では検索されにくい「惣菜」「弁当」といったすぐに食べられるものや「冷凍食品」「洗剤」といった食材や日用品などと掛け合わせて検索されたことも特徴的でした。
学校の休校に伴い、子供の昼食をどうするかというニーズ、併せて外食がなかなかしづらい環境になっていることを背景に「レシピ検索」も増えています。一方で「xx(場所名)ランチ」「xx(場所名)ディナー」という検索が減少し、3月に入ってからは「テイクアウト」「持ち帰り」が伸びていることも分かっています。
学校休校に伴い「学童」「オンライン学習」などの検索も伸びています。また、「家の中でのエクササイズ」など、室内でどのように過ごすかを意識したような検索も増えています。反対に急減しているのは「海外旅行」に関係する検索です。しかし、意外なことに日本における「国内旅行」の検索は、例年とそこまで変わらない推移を保っているようです。
先行きの見えない社会情勢の中で多くのビジネスが想定外の困難を迎えています。まずはこうしたデータを基に消費者のインサイトを理解し、今できることを考えたいものです。
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